日々雑感

中国政府の「日本は人権尊重しているか」の声明に怯える必要はない

2021/3/25の時事通信配信で、”中国外務省が日本政府が新疆ウイグル自治区の人権侵害に「深刻な懸念」を表明したことについて、「日本は慰安婦問題という人道上の犯罪で言葉を濁している。彼らは人権を尊重していると言えるのか」と反発した。「日本の侵略戦争で3500万人を超える中国人が死傷し、南京大虐殺で30万人以上が犠牲になった」 とコメントした。 ”との記事あり。
この歴史カード使用になんら日本は怯える必要はない。

日本が中国大陸で多数の中国人を殺傷し、またその人数や発生理由には議論あれど南京で虐殺事件を起こしたことは事実である。しかし、日本の手が汚れていると指摘したからといって中国政府の手が汚れていないことを証明するものではない。日本は「従軍慰安婦」問題で言葉を濁してはいない。(河野談話を見よ。)

日本の中国での行為は76年前のことであり、今の日本が道徳的に優れた存在であるとは言わないが、少なくとも日本の軍隊(または軍隊様の組織)は76年の間、日本国外で一人の殺傷行為を行っていないのに対し、新疆での中国政府の行為は今現在の人権侵害である。

東京裁判では裁いた側の手が汚れているのは事実だが、それを指摘しても日本の第2次世界大戦の戦争犯罪が免責されないのと同様に、中国が日本の手が過去汚れていたことを今指摘したところで中国の現在の人権侵害が免責されることがないとの反論があるのは中国としては十分わかっているはずである。
にもかかわらず今回の時事通信の報道のような歴史カードコメントを出すのは、バイデン政権の中国包囲網への中国政府の“苛立ち“がかなり大きなことを示すものである。

日本は反中国包囲網に加担するという点ですでにルビコン川を渡ってしまっている。それが本当に日本の利益になるのかどうかは議論の余地はあろうが、実際問題もう後戻りはできない。心して中国での人権問題へ対応するべきである。

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