私が中学生になった頃から今日にいたるまで
それは突然にやってきます。
それとは「死」について考え“眠れない夜”のことです。
「死」とは私自身の死であり、身近な人たちの死です。
「ミレニアム」と騒がれた2000年を迎えることができずに
私の父は永眠しました。
父は医者からあと半年しか生きられないという
余命宣告を受けていました。
それでも最後の最後まで病気と闘いつづけましたが・・・・・
私と父はシャイで無器用な関係でした。
2人だけで話すことはほとんどなく、何かあったらお互いに
母や姉を通して伝えていました。
私が独り暮らしをするようになったのは、そんな父との窮屈な関係
から逃れたいという気持ちがあったことも一因しています。
父の死の数日前、2人だけで話す機会がありました。
会話の内容は思い出せないくらいのたわいもないものでしたが
寂しそうにつぶやいた最後の一言・・・「もう、だめだよ」が
忘れられません。
威厳があり、弱い部分を決してみせることがなかった父でしたが
その一言に対して、私はかえす言葉もなく
沈黙の時間が流れていきました。
死装束を着た父の姿をみながら
なぜもっと2人で話をしなかったのかと後悔しました。
そういえば私は父と2人で歩いた記憶がありません。
父といっしょに歩いてみたかったな・・・・・
そんな気持ちが強く残っているのか
雑踏を歩いていると、その中に父がいるのではと
今でもその姿をさがしてしまいます。
北国の雪景色をイメージして描きました。
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