酒の好きな親子。酒を飲むと乱れて失敗ばかり!何とかしなければということで、二人して禁酒の約束をした。
禁酒の約束をしたものの、息子が出かけた後、父親は寒気がすると言って、女房を拝み倒して、一杯、また一杯と注がせる。止める女房に、「息子と違って、おれは飲んだらごろんと寝てしまう。布団に入ってしまえば、酔ってるかどうかなんてわかりゃしない」なんて言って、さらに、一杯。今度は「駆けつけ三杯」とか言って、重ねて一杯!とうとうぐでんぐでんに酔ってしまった。
そこへ息子が帰ってきた。あわてて片付けるが、息子のほうもかなり酔っている。聞けば、出入り先の旦那に酒を勧められて二升五合飲んだという。
父親「バカヤロウ!あれほど言っておいたのに、なんで飲んでくるんだ。…おや、どうも…貴様は・・・大変なせがれだな。…お前の顔が七つにも八つにも見えるぞ。お前は、酒を飲むから…こんなに…顔が一杯になるのだ。こんな…化け物みたいな…奴に財産は…渡せないぞ!」
息子「へへんだ、私だって、こんなぐるぐる回る家なんて要らねえよ。」
禁酒の約束をしたものの、息子が出かけた後、父親は寒気がすると言って、女房を拝み倒して、一杯、また一杯と注がせる。止める女房に、「息子と違って、おれは飲んだらごろんと寝てしまう。布団に入ってしまえば、酔ってるかどうかなんてわかりゃしない」なんて言って、さらに、一杯。今度は「駆けつけ三杯」とか言って、重ねて一杯!とうとうぐでんぐでんに酔ってしまった。
そこへ息子が帰ってきた。あわてて片付けるが、息子のほうもかなり酔っている。聞けば、出入り先の旦那に酒を勧められて二升五合飲んだという。
父親「バカヤロウ!あれほど言っておいたのに、なんで飲んでくるんだ。…おや、どうも…貴様は・・・大変なせがれだな。…お前の顔が七つにも八つにも見えるぞ。お前は、酒を飲むから…こんなに…顔が一杯になるのだ。こんな…化け物みたいな…奴に財産は…渡せないぞ!」
息子「へへんだ、私だって、こんなぐるぐる回る家なんて要らねえよ。」
《矢野誠一「落語手帳」》
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