太平洋戦争は過去の歴史となったが、
その激動の余波は今も我々の生活に続いている。
軍事一色に走った国家の責任は明らかとなり、
無謀な戦争を進めた罪は万死に値するも、
600万将兵の勇戦奮闘は不滅の記録となる。
ここに戦争の真実を描く。
世界最強の海軍の一つを築いた精鋭無比の日本の艦艇群はその一艦一艦が、すべて日本民族の知力と財力が生んだものである。
またそれを駆け尽くして米英と決戦を迎えた将兵の一人一人は「滅私奉公」「七生報国」を誓って、悠然身を難に臨んだ熱血の男子たちであった。
戦争は負けたが、愛機もろとも、いや艦と運命を共にし、大海に散っていった幾十万人もの犠牲者たちの面影は、時代がどう変わろうとも、日本の歴史あるかぎり我が民族史のうえに輝かしく飾られるべきである。
現在あの浮かべる城を一艦造るだけでも、あれだけの一騎当千の人員を訓練するだけでも並大抵のことではない。まして、戦艦12隻をはじめとする総数400余隻の連合艦隊を建設するなどとは、まるで夢のような話である。
日本の生んだ傑作艦、戦艦大和·武蔵が、沖縄本土決戦およびレイテ島沖海戦において沈められたことは言うまでもない。
日本が永久、もうあんな大海軍を造れないことはすでに明らかだ。
同時に、あれだけの巨大な消耗品を持っていながら、平気でいられた日本の国力も、今から顧みるとまったく恐ろしいような気がする。
そして世界に誇るこの連合艦隊のほかに、何万機という陸海軍の航空部隊。何百万という陸軍の将兵とその機動部隊が我が日本に存在していたのである。
その時の知力や財力を、戦争という2文字にかけた当時の国家。そして、そのために犠牲となって多くの若者を死なせてしまった、日本の権力主義を真っ向から非難する。
我々はあらゆる意味で過去の過ちを振り返り、もう二度と同じことを繰り返してはならない。
それがせめてもの、今を生きる我々の使命といえるのではあるまいか。
太平洋戦争
祖国に敗退と悲惨な歴史を残した
太平洋戦争
栄光は消え失せ、惨禍は今なお人々の心に残る
日本の全国民は国家の誇りと民族の運命をかけて戦い
生命をかけた人
いかに、251万7千余名
ここに哀悼の墓標を立てる
「つれづれ(45)真珠湾攻撃から80年 ~本文~」