一瞬、失敗したなと思う。
いつも外出時に持ち歩くタブレットを今日はどうしたわけか家に置いてきてのお出かけ。ほんの軽い気持ちでの外出だったからなのかもしれない。
道路左側の歩道に並ぶコブシの花。それをできるだけ車をゆっくり走らせながら、フロントガラス越しに見る。さほど大きく育ってはいないが、あたかも今が咲きどきとばかりにその美しさを見せつけている。
この花は遠くからでもひときわ目立つ。春の訪れを桜より一足先に教えてくれるのがありがたい。
庭園でも、街路樹でも、大きな雑木林でも、どこでも似合うが、それでいて高貴さを漂わす春を代表する花木。清楚ですばらしい芳香を放つのが良い。
モクレン科に属し、原産地は日本と韓国(済州島)。つぼみが握りこぶしに似ていることから名付けられたという。単植してもその存在感は大きく、純白の花の美しさは格別である。
明日もう一度タブレットを持って出かけてみようか。
そして友人にもその美しさを教えてみようか。
花言葉は友愛なのだから。
「季節の花(39)春を知らせるコブシの花」