岸田今日子さんの随筆集を今朝読んだ。「村の動物たち」という、そのなかにリスのことが書いてある。毎年五日に一度くらいのわりで、別荘として利用しているご自宅の庭の中で見かけるようだ。
パンやピーナッツを出しておいて、しょっちゅうベランダに来させようとしても、なかなかそうはいかないらしい。野生のリスはかなり用心深いのだろう。
前脚で木の実を捧げ持って食べているのを見ると「ちょっとちょっと」と皆を呼び集めて見せたくなると彼女は書いている。
数年前に、旅の仲間たちと出かけたときにふとしたことから一匹のリスを見かけた。大木を自由に動きまわっている。場所柄からしてもとても野生のリスとは思えない。人間にも、差し出されるエサにも慣れきっていて、ひょうきんさをかもし出している。
その時、歩き疲れた私には一服の清涼剤になった。
「つれづれ(151)リスも慣れれば人間と遊ぶのだろうか」