お盆が終わるのに、そんなことは関係ないとばかりにほおずきが庭のあちこちにやたらと咲いている。
少しくらい抜いても、また小さな茎がひょっこり顔を出す。地下でみんな繋がった仲良しさんたちだし、その生命力が強いからなんだろう。
毎年何もしなくても出てくるほおずき。以前は肥料をあげて、その成長を喜んだものだが、あまりにも増えすぎるので7、8年前から何もしないで放っておく。
そのせいか今年小さくて、成りが悪い。当然といえば当然。エサをあげずに大きく育つはずがない。
少しばかり後悔の今日この頃となってしまった。おそらくそれでもまた、来年も小さなほおずきになってしまうのかなと、もう今から心の中で心配している。
そういえばその当時、知り合いが初夏の頃にわが家のこのほおずきが欲しいというので、10本くらいあげたことがあった。
お嫁に行ったあのほおずきは、ちゃんと花を咲かせ、実を付けてくれているのだろうか。
無事に育ったのか、気になるこの頃である。
ほおずきはまあるく赤い実を隠す何にも言わぬ母のごとくに
平成28年11月 「NHK短歌」 12月号
「季節の花(25)ほおずき」