毎朝の日課というほどではないけれど、家庭のゴミを出しに集積所まで行くことがある。家族の一員として当然と言ってしまえばそれまでだが、そのゴミ出しの楽しい時もある。
歩いて往復で約1050歩。いつも携帯電話をポケットに入れ、帰ってからその日の歩数を確かめる。ICレコーダーから流れるメロディーを聴きながら、まわりの景色を楽しむ。小鳥と出会うときもあるし、時間によっては子供たちの登校とも重なる。季節によってはまだこのあたりも十分に花が見られるし、朝の日差しもさわやかだ。
途中に石塀の構えの農家を通りすぎる。以前は大きなさざんかの木があったが、塀を作ったときにその木を切り、代わりに小さな苗木を植えたのが10年くらい前か。
そのさざんかの木が成長し、今は見事な花を咲かせる。紅桃色の花びらが今の季節になると右手にその顔を見せてくれる。見つめるたびに師走という季節をあらためて実感する。さざんかというのは私にとってはそういう花なのだと思っている。
「つれづれ(129)さざんかの花が待っている」