あべっちの思いをこめた雑記帳

花のフェスティバルにて一足早い春を楽しんでくる

 ここのところだいぶ暖かくなってきた。特に日中の温度は、たとえ日により寒暖の差はあるとはいえ、真冬のその温度にくらべればずいぶんと違ってきていることがわかる。近所の梅も今を盛りと咲きまくっているし。

 先日、高さ22mもある大温室に行って見た。南国のそれは数えきれないくらいの花の種類。表示された名前を読んでも、わからないもののなんと多いことか。今さらながら自分の花音痴を知る。
 たしか6年前にも訪ねたことを思い出した。何度も来ているのに、なぜかその時の印象が強い。
 それは、以前から気にしてカレンダーに書きこんでいた花のフェスティバルに出かけた時のこと。着いたときは11時をまわっていたので人の数もすでにハンパではないかった。
 本日は温室が無料となっているのを知っていたので、いの一番にその温室に入ってみる。無料で、フェスティバルで、そのうえ日曜日ともなるとこんなにも入園者が多くなるのかと思いながら室内をゆっくりとまわった。

 広場では春らしい花を買いもとめる。といっても花束や鉢植えはみんな模擬セリで手に入れたものばかり。
 紫、赤、黄、ピンクと4種類で5品の花たちで、10本の指はたちまち満員になってしまった。全部足し算をしても支払ったのは1000円という金額についよろこび顔。まあこの金額で春を楽しめればたしかに安価であることには違いないなと思う。それにしても模擬セリ値が決まったときの、観衆から買い手にすばやく変わる時の人々の熱気には圧倒されてしまう。

 プレゼントにいただいた鉢は、帰ってから何の花かと袋をのぞいたら、白い小さなベコニアであったことを覚えている。その白い小ささがよけいに春を感じさせてくれた。

 花のフェスティバルにて、一足早い春を楽しんできた。


  あっち向きこっちを向いて咲いている花ですかいいえ人の心です
           平成30年9月 「NHK短歌」平成30年10月号

 

「つれづれ(186)花のフェスティバルにて一足早い春を楽しんでくる」



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