9月中旬。
生ビールの味ともしばしのお別れをする季節。少しだけ寂しい気もするが、次は秋の味の瓶や缶の季節が待っている。
平成25年、短歌と俳句を同時に詠みはじめてみた。中学生時代からやってはいるが、途中お休み期間がだいぶ長いから、まあこの数年前が再始動といってもいいのかなと思っている。
友が私の町へ来たその年の7月下旬は、とにかく暑かった。
一軒めを飲んで次の店に向かう途中、あまりにも月がきれいだった。短歌か俳句でも、やりたい気分だなと二人の意気が重なった。その時の二人の気持ちを詠んだのが生ビールのうたである。
そしてその歌をNHKに初めて投稿した。
そしたらなんといきなり番組で放送された。総合テレビの全国放送だったから、テレビ見たよーという声を知り合いからいただいた。
初めて出して、全国放送だったから、生ビールのうたは今でも忘れずに、友との思い出と一緒に心に残っている。
妹がこの歌で翌々年(平成27年)9月の毎日埼玉書道展で特選というおまけまでついてしまった。
好きなビールを飲んで、その時の気持ちを歌にして、彼とは友情がますます強くなったように感じた。
でも、ほんとうはそんなことより、君と一緒にわが町で飲めたこと自体のほうがはるかにうれしい。
帰りの電車内で彼もきっとそう思ったことであろう。
生ビール溢るるまでにつぎたして君と猛暑をどうにか終える
(平成25年8月2日放送)お題「暑」
NHK総合テレビ「情報まるごと」
「つれづれ(36)生ビールのうた