地名の品格

地方都市を舞台にした漫画作品を趣味で描いていることねっちのブログです。

芸術の都・足利?

2009年07月11日 22時29分33秒 | 足利の話題
今回は、私が住んでいる栃木県足利市にゆかりの芸術家を取り上げたいと思います。

足利学校書物を守り抜いた日本画家・田崎草雲

田崎草雲は、江戸で足利藩の下級武士の息子として生まれたので、足利出身という訳ではありませんが…。
江戸末期の足利学校は荒れ果てていて、所蔵の書物がよその図書館へ散逸すると気付き、校内にある蔵書を勤皇画家である田崎草雲が中心となって国への譲渡を阻止したそうです。
足利学校(2004年11月下旬、足利学校にて撮影)
田崎草雲が日本画を描きはじめるのは晩年になってからで、そのときに足利市緑町にアトリエである白石山房を建てました。
(江戸時代の学者に新井白石【あらい・はくせき】もいましたが、そんなの関係ねぇ…!!)
草雲美術館周辺の地図
足利市緑町については、「よりどりみどりな地名の座談会」でも触れましたが、手元の地図をどう見ても草雲美術館のすぐ隣にある草雲羊羹本舗が見当たらない…。
自作漫画『近所明和く?』から抜粋
(↑セリフに「足利市板倉町」と出てきますが、「考えすぎる板倉」を参照のこと)

果たして、草雲美術館で田崎草雲の作品を見に行く機会はあるのだろうか?
この記事を書き始めたときは、何度入力しても「草雲」でなく「早雲」と変換されるんですけど…


油絵を極める洋画家・川島理一郎

川島理一郎の作品は、足利市立美術館で2002年4月に開催された作品展を見たのですが、高校時代に担任の先生が川島理一郎が足利出身だと知っていたのか、(その頃気付かなかったのか)招待券をもらうのを断ってしまいました。
広東大観
↑上の『広東大観』という絵が代表作の川島理一郎は、1886年に足利に生まれ、5歳の頃からアメリカで暮らした経験から、19歳で単身渡米して絵画を学びました。

2003年に宇都宮の県立美術美術館で行われた「鉄道と絵画」のテーマ展では、どこの操車場か駅の絵か忘れましたが、川島理一郎の作品がありました。
他には、「伎場の図」や「コルシカ島サゴーン風景」といった洋画や、「物語」や「雨と風の詩」などの抽象画もあります。


心眼の画家・長谷川沼田居

多くの人が夏の花の代表格・向日葵【ひまわり】といえば、ゴッホを連想すると思いますが、私は長谷川沼田居【はせがわ・しょうでんきょ】が描いた向日葵の絵も趣があっていいなと思います。
沼田居のヒマワリ
若い頃の作品は、精密な植物画やリアルな自画像などがあり、失明してからは彼の妻がサポートしながら杜若【かきつばた】を多く描いたと言う作風の幅が広い画家です。
足利市羽刈【はかり】町に長谷川沼田居美術館があるけど、小学校が近い住宅地にあるので、迷いやすいかもしれませんね。
足利市立美術館で沼田居の作品を見たのは、2002年7月に開催された作品展でした。

栃木県野木町が向日葵で有名と知っていたけど、久喜市への編入が確実となってしまった埼玉県菖蒲【しょうぶ】町も向日葵の名所だったとは?!
私が考えた街の名前の大切さがテーマの漫画『地名の神様』の「久喜の勝負師」の作中では、菖蒲町の住民キャラが「菖蒲町のヒマワリ畑と花しょうぶを久喜市に渡すもんか !!」と叫んだりして…


書の詩人・相田みつを

私が書道家である相田みつをを初めて知ったのは、小学校1年生ぐらいだったと思います。
母の実家の冷蔵庫に「にんげんだもの」(言葉違ってたかも?)と毛筆に描かれたやさしい顔が書かれたポスターをその頃に見ました。

相田みつをは、生まれてから亡くなるまで、ほとんど足利を離れることなく、創作活動に専念した人です。
独特の作風の書以外にも、ろうけつ染めの作品もいくつか残しています。

2002年に作品展が行われた足利市立美術館(上層部はマンションになってる建物)は、相田みつをの作品が必要最小限しかありませんが、東京都千代田区丸の内にある東京国際フォーラム内の相田みつを美術館には多数の作品があります。

数ある相田みつをの著書のうち、自宅には「いちずに一本道 いちずに一ツ事」と「ひとりしずか」(いずれも文庫版)があります。
みつをの書の日めくりやポストカードを家のどこかに飾っているという方も多いでしょうね。
自宅の相田みつをグッズ
足利を中心とした両毛地方にお住まいの方なら、足利に本社を置く和菓子店の虎谷【とらや】の紙袋やミートサブレのパッケージ(肉は入っていません、念のため…)という形で相田みつをに夜デザインを見たことがあるかもしれません。

葛飾北斎の版画に『くものかけはし』という作品があるけど、足利にある行道山浄因寺の絶景がモデルなんだとか。
足利には、意外にも名バイオリニストとして名高い古澤巌【ふるさわ・いわお】が住んでいます。
2,3年前までは、日本一古い大学といわれる足利学校でコンサートを開催したそうです。

芸術というより芸能の域に入ると思いますが、足利出身の落語家が2人いるらしく、あし歌改め三遊亭歌橘【かきつ】ともう一人、家のどこかにその落語家の名刺があるんだけど…誰だっけ?
三遊亭あし歌は私が通った高校の卒業生で、その高校は所在地の町の編入のついでに校名を変更したのが残念…。

不良が荒れまくる?漫画『足利アナーキー』?何それ?次回予告コピーの「足利市に血の雨が降る」って、作者の方は元祖合併に頼りたくない町・福島県矢祭【やまつり】町の発言を知らないのかい…。
テレビドラマ化された漫画『銭ゲバ』の作者・ジョージ秋山も足利出身でしたっけ…。

足利は芸術の街というよりも、「演劇大学」を開講しているので、いっその事「北関東のシモキタ」を目指すほうが面白かったりして !!
(東京都世田谷区下北沢は、古着屋と劇場が点在する演劇の町だから)
近いうち、国内外にある足利市の姉妹都市を説明したいと思います。

2010年4月7日)この記事をアップしてから半年くらい、足利市出身の画家に大山魯牛牧島閑雲もいるとは気付きませんでした…。
知名度としては、息子の如鳩【にょきゅう】の方が上のようだけど…。


来月1日は、両毛地方にお住まいの人ならご存知、足利の花火大会です。
足利の花火のポスター2009年 地味な花火の絵でゴメン…
(↑上の絵の3人は、「がんばっている街[村]のストーリー」で紹介した『みどりの黒髪』に登場する予定の福島県矢祭【やまつり】町民キャラ・小宮山律【こみやま・りつ】と妻の碧【みどり】や娘の茉莉花【まりか】です。)
唯一足利の花火を見に行かなかった年は、2005年8月上旬に訳あって前橋にいたときだけ…。
その1週間前には、東京で隅田川花火大会ねぇ…う~む。
おととしの花火大会で父が、「もう少しすると、花火大会を中止するんじゃねぇの?」と言われてテンションが下がった事があります。
今年の花火大会は高校時代からの友達と花火に行こうと誘われましたが、去年と同じく土壇場キャンセル?がなければね…

8月1日追記)高校時代からの友達からの連絡がなかったので、今年も両親と行く羽目に…
絵の方、開催時間は7時からなのに、間違ったままでした…。

2024年5月追記)例の「感 染 騒 ぎ」を挟んだことが直接的な原因とも限りませんが、「相田みつを美術館」が閉館してしまうと聞くので、「移転して再開館したら面白い街一覧」(もちろん人口密度で売り上げを見込める街もあげます)も考えてみます。


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26 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
花火 (golf130)
2009-07-14 00:40:42
花火大会の絵、とっても良いですね!!
涼しげだけれど心温かい雰囲気で素晴らしいです。
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暑いです今日も(気温の話) (山野)
2009-07-15 16:27:25
いつも、書き込みに参加しているサイトでの私の記事を転載。

本日、上越市で36.6度
東京・大手町で32.2度
八王子市で34.4度

一昨日は尾鷲で38度を記録。

また2年前の記録では熊谷・多治見で40,9度を記録。
今年の最高は何所になるのだろうか。

って事で合併ネタは無しです。(偶には変えてみる)
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足利の花火まで、あと半月… (ことねっち)
2009-07-15 18:55:41
>golf130さん
花火の絵、褒めてくださってありがとうございます。
ホントは、もっと3人組の影の部分にこだわればよかったけど…

>山野さん
群馬県館林市にて最高気温37.7度を記録しました。
そのため、隣の足利市も36度くらいになり、熱暴走?が怖いのか夕方までパソコンをつける気がしませんでした。
うちは7月下旬までクーラー使用禁止という、クールビズ一家であるので…
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朝日地名について (山野)
2009-07-15 20:39:51
「名草めの応酬」のコメントの続きです。
「朝日・旭」地名。
・朝日町(北海道)→士別市と合併し消滅。
・(村)朝日町(山形県)→現存。(寒河江との協議が白紙)
・(田)朝日村(山形県)→鶴岡市、他と合併し消滅。
・旭村(茨城県)→鉾田・大洋と合併し「鉾田市」となり、消滅。
・旭市(千葉)→現存。
・朝日村(新潟)→村上市、他と合併し消滅。
・朝日村(長野)→現存。
・朝日村(岐阜)→周辺の町村と共に高山市に編入され消滅。
・旭町(愛知)→周辺の町村と共に豊田市に編入され消滅。
・朝日町(三重)→現存。
思い付くのはこれだけ。
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情報ありがとうございます (ことねっち)
2009-07-15 21:03:14
「朝日(旭)」つながりな地名の情報、ありがとうございます。
茨城県旭村って、栃木県立海浜自然の家という宿泊施設があり、小学生の頃に利用した事があります。
足利市や群馬県桐生【きりゅう】市にも「旭町」があるので、「東京都練馬区旭町と激似な地名」という話で突っ込みたいなと思っていたので…。

連続投稿のコメント、消しておきました。
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引っ張り凧(どちらかが崩壊する) (山野)
2009-07-15 23:58:10
現在、栃木地区1市4町で協議している自治体の内
西方町にて、本日開かれた臨時会に於いて
鹿沼市との合併協設置案を賛成多数で可決したと言う情報がありました。
こうなると西方町には栃木市・鹿沼市両方の合併協が出来上がりました。

また、今月26日には藤岡町にて佐野市との合併を問う住民投票があります。

どっちにしろ、現在の枠組み(栃木市との合併話)は白紙になったとしても
西方は鹿沼へ、藤岡は佐野へ吸収になる事に変わりは無い事実。

因みに鹿沼市は可決済み。
西方で同市との合併を求めたのは
「鹿沼市との合併を実現する会」という団体。
藤岡の方は名称を存じませんので。
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朝日地名の追加 (山野)
2009-07-16 13:36:51
2つ抜けていましたので訂正しておきます。
・朝日町(富山)→現存。
・朝日町(福井)→消滅。
福井の場合、合併後の名称は「越前町」だが
役場の位置がこの、旧朝日町にあるので
どちらが吸収された町なのか判らない状態となっています。
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藤岡町あってこその渡良瀬遊水地… (ことねっち)
2009-07-16 14:36:28
やっぱり、佐野市の藤岡町編入の件って、渡良瀬遊水地欲しさなんでしょうね。
このブログのどこかで発表した『地名の神様』の「ノアの岩舟【佐野市と岩舟町の編入問題】」のプロットにも、影響が出てしまいました。
群馬県藤岡市などを含めた「藤岡つながりの地名」のブログ記事のアップは、来月上旬辺りに伸びそうです。
まだ製作していない「理不尽なおっかあ」の後編ネーム(漫画の下絵)で、それなりの対応をするしかないか…。
(面倒なので、前編のネームは原文ママで作画しようと思います。)
そういえば、近年の都賀町は桜の名所を整備するなど観光に力を入れているので、独立の道を歩んだ方がよさそう…。
一方、西方町には観光収入が得られる場所が少ないからと、編入を急かされるのはあんまりだと…。

愛知県に尾張旭市があったし、岡山県旭村もありましたが…。
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県議会通過 (山野)
2009-07-16 17:48:37
ことねさんへ、残念なお知らせがあります。
本日、滋賀県議会本会議に於いて、
近江八幡市との廃置分合案が賛成多数で可決されました。
この後国へ届け出る事(告示待ち)になりますので
来月町長をリコールをしても間に合わないものと見られます。

同じタイトルで、あちらの「急ぐな合併・守ろう安土みんなの会」のBBSにも書いておきましたので、覗いて見て下さい。
参照元http://www.bbc-tv.co.jp/houdou/news/news_today.php
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昨日いっぱい不安でした… (ことねっち)
2009-07-18 19:28:54
ホントに県議会というものは「編入大好き」な輩だらけですね。
県議会の強引な可決には、栃木県の合併してない街に住む私ですら、血の気が引きました。
えーっ、だからと言って滋賀県安土町の字ネタは終わるわけではありません。
安土町に「上豊浦」という字があったので、「豊浦つながりの地名」という記事にて、私なりの編入に対する意見も述べたいと思います。

世界で一番地名(市町村名)を大切にする国があるなら、一体どこだろうか…。
(北の某国は論外なので、除外します…)
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