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■1/144スケール セイバーガンダム 作成(#ガンプラ)GBWC2015 日本大会 本選進出作品

2015-11-23 01:57:59 | ホビー(模型・ガンプラ)
 ガンプラ制作復帰3作目、そして自分にとっては運命的となった作品です。
※一部、画像はクリックする事で大サイズが見られます。


 始めの写真、一見すると飛行機に見えますが、歴としたガンダムです。
 名前は、セイバーガンダムと云います。

 いわゆる、「可変機」というやつで、ガンダム用語で言うと「モビルスーツ」にも「モビルアーマー」にもなる機体です。



 それで、今回はそのセイバーガンダムのコレクションシリーズ(ファングレード)を材料に、飛行形態化を目論みました。

 なぜ、飛行形態化に固執したのか、というと、店頭で商品を手に取った時、パッケージの側面にこの写真があったからです。



 このシリーズのキットは、とても廉価で個人的にたいへん気に入ってよく買っているのですが、「このロープライスで可変機構まで採用している!」という事に感動し、「よし、このプラモデルを買おう」とレジに並んだのです。

 ですから、今回のセイバーガンダムは、飛行形態ありきで始まりました。



 さてさて、自宅に帰り。

 ガンプラ制作復帰後、恒例となっている、他のグレードや他所の人の作品などをweb画像検索して眺めていました。

 すると、コレクションシリーズのキットはあくまで「簡易」変形なのが解りました。パッケージにも断り書きはありました。
 変形はするものの、ところどころ設定とかけ離れた部分があります。

 でも、バンダイの開発陣はこの変形機構、もの凄く奮闘したと思います。正しいスタイルとのその差は、僅かなのですから。この値段のキットに、よく盛り込みました!

 それと合わせ、手元にあったセイバーガンダムのプロ作例が載っているガンプラムック本も見ながら色々と思いを巡らせた結果、次の結論に至りました。

「せっかく飛行形態になるし、かなり強そうなので、ミリタリー思考で地上運用出来る仕様に改造しよう!」

 設定のままですと、飛行形態はあくまで空間運用のみで、宇宙での戦艦内にしろ、地上での基地内にしろ、接地はすべてモビルスーツ状態での脚部使用なのです。

「なんだ、勿体ない! バリバリの飛行形態になる機体なんだから、モビルアーマーの状態で接地させたいじゃないか。戦闘機みたいでカッコイイぞ」

 もうあたまの中はこの思考でイッパイで、とにかくそこを目指して作業する事にしました。

--
 主には、ランディングギアを追加する事だったのですが、そこはただ何かから持ってくるのではなく、コダワリを入れました。

 と云うのも、この機体、質量が77.13tもあるのです。普通に考えたら戦闘機としてはめちゃめちゃ重く、重量級の飛行機のギアが必要になってきます(あのトムキャットですら、重さは18,190kg……)。

 ただ、大型輸送機や爆撃機のランディングギアは、セイバーガンダムの風貌に合わないので、戦闘機だけどもなるべく頑丈なギアを持っている機体からパーツを流用しよう、と考えました。

 その結果、ランディングギアは、イギリスとフランスが共同開発した攻撃機であるジャギュアから持ってくる事にしました(ハセガワ製プラモデルを使用)。



 何故かと言うと、この飛行機は整地されていない草地などでも離発着出来る脚とタイアを持っていて、つまり“タフ”に作られているからなのです(ちなみに、ジャギュアの重さは、空虚重量:7,000kg/最大離陸重量:15,700kg)。

 もちろん、セイバーガンダムが普通の飛行機のように長い滑走路が要るとは思いませんので、仮想設定としてはSTOL(Short TakeOff and Landing)機である事は容易に想像出来ますが、それにしたって機体質量を支える脚の頑丈さは必要なので、出来るだけスタイリッシュに、でも強いランディングギアを奢る、という事に。

--
 他、コレクションシリーズでは省略されてしまっている飛行形態のディティールを成立させる為に、可変機構は諦め、モビルアーマー状態固定で行く事にしました。
 自分の技量では、このキット(とスケール)に変形機構を収めるのは無理だからです。

 そんなこんなで、切った貼った、仮組みしてみる、などなどの作業が始まりました。
 なお、その過程で留意した事は、以下の通りです。

飛行形態にすると頭部など一部はほとんど見えなくなるが、その部分のディティールも疎かにはしない。
追加するランディングギアはポン付けではなく、なるべく理論的に成立するギミック(工作)とする。収納などに矛盾が生じないにする、という意味です。
ランディングギアを取り付ける前から、前後バランスは完璧にする(前後で50:50にする)。ギア接地とはいえ、自分、自立しないガンプラが嫌いだからです(アクションベース嫌い)。
とにかく極力設定画に近付ける。一部は、BEE-CRAFTの設定画を参考。

 そういった注意点などを心掛けながらの途中経過がコチラです。


飛行形態のイメージを掴んだり、前後バランスをみるための仮組みでの状態。シチュエーションも考え、屋外で撮影。注目したいのは、前後バランスで、この状態で下部シールドの1点だけで立っている。秘策は後述。









何気にオリジナルで翼の形状を変更したり、自作ウェポンも追加している。なお、この時点では頭部はまだ未着手。

当初予定になかったのだが、翼の面積を大きくしたら翼下が何か寂しくなり、急遽、ミサイル類を搭載する事に。ただし、エアモデルからの流用が出来ず、仕方がなく自作にトライしてみた。基本、スクラッチの経験が殆ど無いので、至難の業だった。



 今回の制作、何故かおしりまで頭部の作業が後回しになり、その代わりにそれなりに力入れました。


一部を削ったり、逆にカサ増ししている。フェイス部の塗り分けに悩んでいて、接着はまだしていない。






 もう一歩進め、サーフェイサーも吹いた状態がこちら。





今回特に拘りたかったのが、頭部カメラセンサーのクリアーパーツ化。1ブロック前の写真で解るが、キットはカメラセンサー部は頭部と1体になっていて、あとからブルーのシールを貼るようになっている。しかし、パッケージイラストなどを見ると、どうやってもクリア素材に見える為、クリアパーツのランナーを1部切り出し、加工して、最後に取り付けるようにしている(写真の状態は仮止め)。


 おおよそ希望の形状(設定画に近付ける)になり、またセンサー部もクリアパーツ化出来、万々歳。のち、諸々作業を一気に進め、完成としました。


【 完成写真 】

[1]


[2]
航法灯を3箇所、グリーン/レッド/クリアのパーツを使い、再現している。接触防止灯はなし。本来は点灯させたく、似たような作例をSNS上で見付け、出典元を色々な人に訪ね、雑誌スケールアヴィエーションに掲載している事が分かり、バックナンバーを取り寄せまでしたが、スケールが合わず断念。誌面上の解説だけでは不明な点があり、編集部に問い合わせをしたが回答が得られなかったのも中止した理由。結構、不満。


[3]


[4]
ランディングギア装着時もそうだが、なしの状態でも前後バランスが均等になるよう、M106 アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲内にウェイトを仕込んだ。細かい物を複数個使い、バランスをみながら量を調節した。


[5]


[6]
足裏は廉価キットのお約束で空白・塞がれていない状態だったので、設定画を参考に作成した。個人的には、かなり苦労した箇所。経験数が少ない為。この工作は、とにかく苦手。過去の作品は、オミットしている物もある。


[7]
MA-78 スーパーフォルティスビーム砲は、キットの物を削り取り、基部を開口してプラ棒から切り出した自作パーツを別に取り付けた。


[8]
細かな部分だが、ジャギュアから流用したフロントランディングギアカバー前部に付く前照灯(2灯)は、スワロフスキーを裏側から埋め込み、透明感を再現している。もちろん、ここも点灯させられればしたかった。この電飾化への思いは、次のトライ作品で盛り込み最中(記事執筆時点)。


[9]


[10]


[11]


[12]
MA-BAR70 高エネルギービームライフルは、モビルアーマー状態ではグリップなどが収納されるので、工作で再現。上位キットでは、しっかりと可動して折り畳まれるらしい。


[13]
翼に吊り下げている武装は、パイロンもミサイルもすべて自作。手持ちの1/72スケールのものはサイズがいまいち合わなかった為。専門資料を集め、なるべく現実世界のディティールに近づけるよう努力した。


[14]
写真では解り辛いが、フロントスカート、サイドスカートは1度すべて切り離し、スプリングで繋ぎなおしている。足の動きに合わせて可動する。なんとなく、拘りたかった。


[15]
今回、とにかく翼のスジ彫りにとても苦労した。面積を拡張したせいもあり、何度も失敗し、パテを盛り、水研ぎをし直しスジを彫る、の繰り返し。途中、SNSでのやりとりで、スジボリ堂のBMCタガネとハイキューパーツのスジボリ用ガイドテープの存在を知り、急遽購入。片翼からはこの2つのお陰で、とても精度よく、また効率的に作業が出来た。自分のヘルプにコメントを寄せてくれた方には、本当に助けられた。


[16]
本格地上運用仕様に変更しても、アスラン・ザラが乗機する事は変わらずの設定。氏がデュランダル議長から授かったFAITHのマークを、M106 アムフォルタスプラズマ収束ビーム砲の前部に貼ったが、そもそもこのデカールを入手するのに大いに苦労した。なんとか手に入ったのはラッキーだった。正確には、セイバーガンダム用ではない。


[17]
留意点通り、モビルスーツ形態でも見栄えするよう、シールドなどで隠れてしまう部分も真面目に作った。アンテナは飛行形態では折り畳まれるので、加工して固定したまま。


[18]
カメラセンサー部と航法灯のクリアパーツはまだ付けていない(航法灯はテールウイング後端)。トップコート(つや消し)を吹いた後でないと問題あるからだ。クリアパーツを使ったすべての箇所は、より光るようにベースにアルミ箔を貼ってある。


[19]
キットのままだと、正面にあるコクピットハッチがシールドで塞がれパイロットが乗り降り出来ないので、腰部背面にそれらしいディティールを追加した。モビルアーマー形態の時は、そこから乗り降りする解釈に。


[20]
頭部は、フェイス部の塗り分け、後ハメに悩み、最終的にまずフェイス部単体で塗装を済ませ、マスクをマスキング後、頭部パーツを嵌め込み接着&継ぎ目整面&塗装。頭部の作業が終わったら、マスキングテープを丁寧に剥がし、写真の状態に。これは、ガンプラ共通でぶち当たる壁なので、今後も使いたい手法となった。


--
 なお、本作は、2015年度のGBWC(GUNPLA BUILDERS WORLD CUP / ガンプラビルダーズワールドカップ2015 日本大会)の本戦進出作品に選ばれました(WEB受付 オープンコース)。



 この作品レベルで? という声多いと思いますが、正直な気持ちはメチャメチャ嬉しかったです。工作技術などよりは、着想点がお眼鏡にかなったのかな? と。
 その証拠に、本選1次審査通過は減点法で見事弾かれました。
 甘くはないです。

 でも、良い体験、思いが出来ました。復帰3作目でこの結果には、とても満足しています。もちろん、今後も虚心坦懐で作品作りに励みます。


 応募データは次の通りです。

作品名
ZGMF-X23S Fighter finish

使用したガンプラ
コレクションシリーズ セイバーガンダム

作品のアピールポイント、説明
本格航空戦力として陸上運用したら、という想定で作製しました。STOL機であろうという仮定で、脚周りは草地での離着陸が出来るジャギュアから持って来ています。兵装は追加としてサイドワインダー系、AMRAAM系をパイロンと共に自作しています。通常のコクピットハッチが使えないので、背部にそれらしいディティールの追加を。リアリティ追求の為、航空灯も3箇所クリアレンズで再現しました。


【 使用写真 】※3枚が規定






 気合入れた甲斐はありました。

 ところで、本機、作中では相手役にメッタメタにぶった切られてあっという間に玉砕しちゃうんですよね。嗚呼……。

 個人的にはもっと活躍して欲しかったです。



 参考で、モビルスーツ形態はこんな形になるキットでした。

 腕の肘と脚の膝関節は固定のキットだったので、ひと思いに切断しました。


 GBWC2015の本戦進出作品に選ばれたのも栄誉ある出来事でしたが、その他もとにかく良い体験・勉強がたくさん出来た作品作りで、ガンプラ制作に復帰して良かったと再確認した1品になりました。

 次の真面目作品にも取り掛かっているので、頑張ります。

 GBWCもまた予選突破を目指したいです!


やかん

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