![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/2a/d71794a4922e0cd79cb9b042956df4c9.jpg)
マミヤM645の修理と合わせて購入した三脚、ジッツオG1320。この製品の知られざる便利お得なウラ技をご紹介したいと思います。
以前のブログでご紹介した、マミヤM645の修理。この時、三脚と雲台についてすこし触れましたが、その詳細は、三脚が仏のジッツオG1320、雲台は伊のマンフロット486RC2という選択です。ブランドの立ち上げ国はそれぞれ違いますが、今はどちらもある会社組織に属していてイタリアに拠点を置いています。日本での正規窓口も一社が取りまとめています。
この両社、古くからカメラ用機材で世界中で名を馳せ、プロからの支持が厚いのも特徴です。特にジッツオは、玄武岩を材料のひとつとしたバサルトファイバーや、軽量さが売りのカーボンファイバーをチューブにいち早く採用したメーカーで、高い耐久性も誇ることから古いモデルを今だに使い続けているのをよく見かけます。たまたま今、書店に並んでいる日本カメラ8月号(2008年)で本国取材の記事を掲載していて、ジッツオの三脚はすべてハンドメイドであることを知りました。以前から価格が高い高いと感じていましたが、まさかこのご時世にまだそのようなスタイルを貫いているとは驚きで、すこし納得しました。中判カメラでの使用を想定しての購入だったので、耐荷重と安定性、値段のバランスを考えてG1320をセレクトしました。
雲台は、フリーのボールタイプで+90°から-90°ティルト動作に対応。しかもクイックリリースプレート付きを使いたかったので、このタイプを豊富にそろえるマンフロット製をセレクトしています。使ってみてわかりましたが、こちらは水準器を内蔵する物を選んだ方がよかったと感じています。
さて本題のG1320の便利お得なウラ技についてです。
ジッツオの三脚を選んだ理由のひとつに「グラウンドレベルセット」という独自機能が挙げられます。どういうものかと言うと、通常の三脚はカメラ位置を下げるために脚を全開に広げてみても、下がり切ったセンターポール下端が地面に当たり、カメラ位置が地面すれすれにはなりません。センターポール下端を当たらないようにと上方にずらしますと、今度は上端がポール長分だけ地面から離れるため、やはりカメラ位置は地面すれすれになりません。この問題を解決するために、差し替え式のショートポールなる製品がラインナップされていましたが、多少なりとも飛び出す長さがあり、実質長が0になる製品はありませんでした(かつてあったかは不明)。しかも昔はアルミ製の安価なものがありましたが、一時期からすべて高価なカーボンファイバー製に変わっています。
この問題をすっきり解消したのがグラウンドレベルセット。ポール上端に付くお皿(アッパーディスク)の部分と、下端にあるフタ部品(スクリュー&フック)に工夫がしてあって、センターポールなしで互いを繋ぐことが出来ます。三脚ショルダー部分にあるセンターポールの固定リングの上下にフタをするような形になります。この状態にすることで、地面に限りなく近い高さ(グラウンドレベル)を成立させられます。工具も使わず、数秒で出来る優れた機能です。
マミヤM645から覗く世界位置を地面に近付けたく、ジッツオを選んだのですが、実は購入してからG1320にはこの機能がないことを知りました。さっそく正規窓口に相談をしたところ、購入の参考にしていたカタログ(2007年度日本語版)ではグラウンドレベルセット機能を持っているように紹介されていましたが、これはカタログ制作上の不備だったことが判明しました。
さあ困りました。中判カメラ級の重量に耐えられて、グラウンドレベルセット機能も持つ三脚を案内されましたが、ものすごく高価。GT3531というモデルが12万8,100円、GT3541Lは14万7,000円(ともに税込)。アマチュアには手が出せません。
グラウンドレベルセット機能を持つローレベルポールキットという商品が別売りアクセサリーとして存在しますが、ポールの溝形状が違うということで使用不可。
このままでは三脚を買ったものの、目的の使い方が出来ず無駄金に。途方に暮れつつも、正規窓口とやりとりを続けました。そうしたらある時、先方からびっくりの妙案が飛び出しました。それが、便利お得なウラ技なのです。
ジッツオは、製品への手厚いフォローを意識している会社で、スペアパーツの揃え体制や新旧製品の部品互換性に気を遣っています。この取り組みを活用して、グラウンドレベルキットのポールのパーツを個別に利用するという手段を提案してもらえたのです。これならポールレスの状態を成立させることが出来ます。バラパーツでの使用なので、普段はセンターポールを上げ下げしてアングル決め、特別な時に無工具でポールをバラしてグラウンドレベルへ、という使い方は出来ませんが、手間さえかければどちらの状態も成立させられるので良しとしました。比較的安価で、重いけれど頑丈で安定感があるG1320を使いながら、グラウンドレベルにも対応させられるこのウラ技はなかなか便利だと思います。多分、他のグラウンドレベルに未対応の旧モデルなどでも適応できる技だと思います。
ちなみにそれぞれの部品は、D0701.07(お皿部分)、D0702.01(雲台止めネジ)、D0703.07(エンドフック部分)になります。お値段は、それぞれ4,150円、1,200円、4,000円(すべて税別)です。
一瞬は、表記不備でダメかと思いましたが、過去の製品も大事にする歴史のある偉大なメーカーを選んでおいて、間違いありませんでした。高価ですけど、末永く使う予定であればお薦めです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/92/ee3910611c1bafd1f5b8837d95e92e9e.jpg)
標準仕様は、1枚目の写真にある長いセンターポールが組み合わされています。これを丸々取っ払って、違うお皿と下フタを使うことでギリギリの低さに抑えられます。標準でグラウンドレベルセット機能を備える三脚は、この作業が工具なしで瞬時に行えます。従来型はそもそもグラウンドレベルセットは出来ないし、センターポールを外すにも付属する工具が必要で、時間もかかりました。今回紹介した使い方は正規のものではないので、いちいちこの工具とグラウンドレベルパーツ(もしくはノーマルのセンターポールキット)を持ち歩く必要があるのが面倒ですが。
以前のブログでご紹介した、マミヤM645の修理。この時、三脚と雲台についてすこし触れましたが、その詳細は、三脚が仏のジッツオG1320、雲台は伊のマンフロット486RC2という選択です。ブランドの立ち上げ国はそれぞれ違いますが、今はどちらもある会社組織に属していてイタリアに拠点を置いています。日本での正規窓口も一社が取りまとめています。
この両社、古くからカメラ用機材で世界中で名を馳せ、プロからの支持が厚いのも特徴です。特にジッツオは、玄武岩を材料のひとつとしたバサルトファイバーや、軽量さが売りのカーボンファイバーをチューブにいち早く採用したメーカーで、高い耐久性も誇ることから古いモデルを今だに使い続けているのをよく見かけます。たまたま今、書店に並んでいる日本カメラ8月号(2008年)で本国取材の記事を掲載していて、ジッツオの三脚はすべてハンドメイドであることを知りました。以前から価格が高い高いと感じていましたが、まさかこのご時世にまだそのようなスタイルを貫いているとは驚きで、すこし納得しました。中判カメラでの使用を想定しての購入だったので、耐荷重と安定性、値段のバランスを考えてG1320をセレクトしました。
雲台は、フリーのボールタイプで+90°から-90°ティルト動作に対応。しかもクイックリリースプレート付きを使いたかったので、このタイプを豊富にそろえるマンフロット製をセレクトしています。使ってみてわかりましたが、こちらは水準器を内蔵する物を選んだ方がよかったと感じています。
さて本題のG1320の便利お得なウラ技についてです。
ジッツオの三脚を選んだ理由のひとつに「グラウンドレベルセット」という独自機能が挙げられます。どういうものかと言うと、通常の三脚はカメラ位置を下げるために脚を全開に広げてみても、下がり切ったセンターポール下端が地面に当たり、カメラ位置が地面すれすれにはなりません。センターポール下端を当たらないようにと上方にずらしますと、今度は上端がポール長分だけ地面から離れるため、やはりカメラ位置は地面すれすれになりません。この問題を解決するために、差し替え式のショートポールなる製品がラインナップされていましたが、多少なりとも飛び出す長さがあり、実質長が0になる製品はありませんでした(かつてあったかは不明)。しかも昔はアルミ製の安価なものがありましたが、一時期からすべて高価なカーボンファイバー製に変わっています。
この問題をすっきり解消したのがグラウンドレベルセット。ポール上端に付くお皿(アッパーディスク)の部分と、下端にあるフタ部品(スクリュー&フック)に工夫がしてあって、センターポールなしで互いを繋ぐことが出来ます。三脚ショルダー部分にあるセンターポールの固定リングの上下にフタをするような形になります。この状態にすることで、地面に限りなく近い高さ(グラウンドレベル)を成立させられます。工具も使わず、数秒で出来る優れた機能です。
マミヤM645から覗く世界位置を地面に近付けたく、ジッツオを選んだのですが、実は購入してからG1320にはこの機能がないことを知りました。さっそく正規窓口に相談をしたところ、購入の参考にしていたカタログ(2007年度日本語版)ではグラウンドレベルセット機能を持っているように紹介されていましたが、これはカタログ制作上の不備だったことが判明しました。
さあ困りました。中判カメラ級の重量に耐えられて、グラウンドレベルセット機能も持つ三脚を案内されましたが、ものすごく高価。GT3531というモデルが12万8,100円、GT3541Lは14万7,000円(ともに税込)。アマチュアには手が出せません。
グラウンドレベルセット機能を持つローレベルポールキットという商品が別売りアクセサリーとして存在しますが、ポールの溝形状が違うということで使用不可。
このままでは三脚を買ったものの、目的の使い方が出来ず無駄金に。途方に暮れつつも、正規窓口とやりとりを続けました。そうしたらある時、先方からびっくりの妙案が飛び出しました。それが、便利お得なウラ技なのです。
ジッツオは、製品への手厚いフォローを意識している会社で、スペアパーツの揃え体制や新旧製品の部品互換性に気を遣っています。この取り組みを活用して、グラウンドレベルキットのポールのパーツを個別に利用するという手段を提案してもらえたのです。これならポールレスの状態を成立させることが出来ます。バラパーツでの使用なので、普段はセンターポールを上げ下げしてアングル決め、特別な時に無工具でポールをバラしてグラウンドレベルへ、という使い方は出来ませんが、手間さえかければどちらの状態も成立させられるので良しとしました。比較的安価で、重いけれど頑丈で安定感があるG1320を使いながら、グラウンドレベルにも対応させられるこのウラ技はなかなか便利だと思います。多分、他のグラウンドレベルに未対応の旧モデルなどでも適応できる技だと思います。
ちなみにそれぞれの部品は、D0701.07(お皿部分)、D0702.01(雲台止めネジ)、D0703.07(エンドフック部分)になります。お値段は、それぞれ4,150円、1,200円、4,000円(すべて税別)です。
一瞬は、表記不備でダメかと思いましたが、過去の製品も大事にする歴史のある偉大なメーカーを選んでおいて、間違いありませんでした。高価ですけど、末永く使う予定であればお薦めです。
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標準仕様は、1枚目の写真にある長いセンターポールが組み合わされています。これを丸々取っ払って、違うお皿と下フタを使うことでギリギリの低さに抑えられます。標準でグラウンドレベルセット機能を備える三脚は、この作業が工具なしで瞬時に行えます。従来型はそもそもグラウンドレベルセットは出来ないし、センターポールを外すにも付属する工具が必要で、時間もかかりました。今回紹介した使い方は正規のものではないので、いちいちこの工具とグラウンドレベルパーツ(もしくはノーマルのセンターポールキット)を持ち歩く必要があるのが面倒ですが。