山田の案山子

日々是吉日

或る日友人が来て・・・

2014年11月02日 | 時事・ニュース
タワービュー通りの業平小学校前の花壇? 

 或る日、友人が来て「若い恋人が出来たが、これが時間にルーズで困る」とこぼした。
 「そんなにルーズか」と言うと、ルーズもルーズ、待たせるのは平気だ。こないだも一時間も待たせて、至極落着いてやって来て「美容院に行ってきたの」と言うから、つくづく女の顔をみて「嘘」と大声で言って「美容院は休みだ」


 またの日に其の友人がやって来て「まいった、まいった」と言う。
 上々の気分で、二人して暗い道を歩いていると「もっと明るい通りへ出ない。怖いわ」と言うから「僕がついてる」と言うと「其れが怖いのよ」


 或る日、友人Bが来て「うちの子供にも困ったものだ」と言う。
 昨夜、食事中だしぬけに「先生が家へ来るかも知れないよ」 
 家内がびっくりして「いつ」と聞くと「いつだかわかんないけど、此の子の親の顔が見たいって言ってた」


 また或る日、其のBが来て「うちの子供の漢字の知識のないのにも困ったものだ」と言う。
 家内が風邪で寝ているので、長男が家内に代わってお手伝いに渡すメモ用紙に「王接間の掃除」と書いた。其れを見た次男が笑うと、長男も気が付いて「お前には二万貸しがある」と言った。

 応接間と二万は、まるで関係ないから、Bは思わず失笑した。しかし、どこの家でも応接間は一番綺麗にしておくもので、大体主人が其処で客に会う。応接間は、本来王接間と書くべきものであるのかも知れない、とBは言った。


 或る日、友人Cが来て、隣の奥さんに道であうと、主人のこぼし話を始めて、いつ果てるとも知れない。うんざりしていると「おまけに、だらしなくて、上着のボタンをいつも失くしちまうんですよ」と言うから「縫い付け方が悪いんじゃありませんか」と少し主人の見方をしてやると「そうなんですよ。主人ったら、本当にぶきっちょで」


 或る日、友人Dが来て言った。「世界に最良の妻が二人ある。其れは、死んでしまった妻と、まだ探しあたらぬ妻だ」


 或る日、友人Eが来て言った。「若い時は愛人。中年には相談相手。そして老年には看護士。これが最良の妻だ」


 或る日、友人Fが来て言った。「人間は生涯に三度諸人に見られる。生まれた時に見られ、結婚の時に見られ、そして、死骸で葬式の時に見られる」