天国の乗り物と浮気の回数

　３人の男が天国に昇った。すると神様が、
「天国では乗れる乗り物が生前の配偶者への態度で決定する。先ずお前は妻に忠実だった。浮気もせず心から妻を愛したな。立派なものだ。よし、新品の高級車を与えよう。次にお前は一度だけ浮気したな。しかし、深く反省して居る。よかろう、中古の自動車を与えよう。そして、お前は・・・・・・、何と云う奴だ。チャンスがあれば浮気ばかり。数え切れない程の女性と関係を結んで居るではないか。お前には此の自転車を与える」

　こうして彼等は天国での生活を始めた。
　其れから数日後、自転車を与えられた男がペダルをこいでいると新品の高級車を貰った男と再会した。

　男は高級車を道の傍に止め、バンパーにもたれかかり泣いている。自転車の男は驚き、「どうしたんだい？　立派な高級車を貰ったのに、何を泣いているんだ？」

　男は涙を拭いながらこう答えた。
「さっき妻と出会ったんですよ」
「それなら好かったじゃないか！　再会を果たせて」
「好いものか！　妻は・・・・・・、ローラースケートを履いていたんだぞ！」

　妻の浮気を知らなかった亭主、知ってしまったからには自分も浮気をしようと、神様から貰った高級車に乗って女性達をナンパし始めた。だが、如何しても成功しない。

　そこで生前知り合いだった女性に聞いてみた。
「高級車を乗り回しているのに、何故なんだろう？」

　すると女性はこう答えた。
「当たり前じゃない。真面目な男だと自分の浮気がばれた時に厄介だからよ」