2024年7月28日、日曜日、強風雨。南岳を経て大キレット・北穂小屋の予定だが、天気予報の風の強さを見て昨夜のうちに、往路を下るか南岳を経て天狗原へ下る予定に変更した。4時30分過ぎに表に出る。雨はそれほどでもないが風が強烈だ。どちらのルートを取るにしろ、足元が明るくなるのを待って動き出すことにする。5時20分風も少し弱まったし、視界50m以上、ヘッドランプ無しで歩けるようになって来た。これなら南岳への稜線を歩けるだろうと出発。
5時30分テン場を抜けて飛騨乗越に着く。テン泊を幾張りも見る。この雨風では大変だろうと思うが、当の本人たちは想定内の事なので、傍目が思うほどではないのだろう。
風もそれほどひどくはなく、5時48分大喰岳に着く。視界が悪いので登山道から少しそれる山頂を危うく見落とす所であった。立止まった場所で周囲を見渡し、幸運にも山頂標識が目に入った。
山頂から20分弱下って、ヤリまで1000mの印を見る所まで来ると、稜線下に雪渓が残る。
稜線飛騨側(南岳に向かって右)から風は吹くので、長野側にはいると風はピタッと嘘のように止む。この辺りから花が多く見られる。強風雨だけどまだ花を観る余裕がある。この天気では景色は無いから花でも観るしかないのだけど。
小さいながらもお花畑もある。
6時22分梯子を登って、
3,4分歩くと6時27分中岳山頂に着く。
中岳から石が重なる道を朽ちた道標まで下って6時42分。南岳へ登り返すあたりで、槍に向かう人とすれ違う。南岳の先の情況を聞くと、ここから南岳小屋までは風が強いですよーと。この天気の中、大キレットに行った人もいたと云う。
飛騨側に出ると今までより風が激しくなる。フードに当たる雨粒が耳元でピシッ、ピシッ、ピシッ。7時15分天狗原分岐を見るが南岳まで行く。
風に時たまあおられながら7時35分南岳に着く。南岳小屋はすぐだが大キレットは諦めたから、ここで引き返して天狗原へ向かう。
南岳への登りでは気が付かなかったが、飛騨側にお花畑。
7時51分天狗原への分岐に着き、岩と鎖の痩せ尾根の下りに入る。長野側に下るので風にあおられる心配は無くなる。
稜線から下り始めて15分弱の8時4分梯子が出て来た。
梯子を下り終えると下の方が薄っすらと見えるようになって来た。
岩の間に咲く花。
8時30分雲の下に出て、右側槍沢方面。下はそよ風。
さらに10分ほど岩尾根を下ると左手に天狗平。
雪渓で一瞬登山道はどっちかな?などと考えながら歩く。
雪渓を抜けると、眼下に天狗池が視界に入る。雲の下に出れば稜線の荒れ模様から一転。恐ろしや高山の天候。
所々にチングルマ。
錦秋を飾るナナカマドが山腹を埋める。
9時12分天狗池。10人ほどの登山者が池の周りにたむろ。残念ながら逆さ槍は見られず。
天狗池を槍沢へ抜ける道から見下ろす。
そして槍沢へと石が重なるガレ道をトラバース。
登山道脇に花。
ガレ斜面に猿の一団。
ガレを抜けて、往路の天狗原分岐に9時55分戻って、往路を下る。
天狗池(天狗原)から流れ出る雪解けが滝を作っている。
槍沢左岸の道を下って、ババ平に11時43分着いたところで、この先の行程立て直し。行く先の選択自由度が高い横尾山荘に今夜の予約を入れる。予約取れ安堵。
槍沢左岸をゆったりと下って来たものの、往路で見たものばかりだから、目新しいのはこんな所かな。
13時50分横尾山荘に着く。下る道々先の予定を話しながら来たが、横尾に着いて登山案内所にまたまたお世話になり先の計画を立てる。案を話せば登山道の状況など親切に教えてくれるので大変助かった。結果、涸沢カールピストン、蝶ヶ岳から明神館まで、明神館から焼岳で予定を埋める。大キレット、ジャン・西穂と断念したので、明日から2泊どこかを探さねば。とりあえず横尾山荘に連泊してと云うことでお願いすれば空き無し。今夜の部屋に入ると直ぐに係りの人がキャンセルが出たので連泊可能と。助かった。明神館もすんなり取れたので何とか予定は立て直せた。横尾山荘は風呂もあり汗を流してすっきりした所で豪華な夕食(ポークソテー)。そして水道の栓を開ければ使いたい放題の水。ありがたやありがたや。名は山荘なれど車が通うところは違うねー。