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大勢のお客様にご利用頂いた山の日連休は過ぎましたが、今年も槍平小屋は“働き方改革”、続けております。
リポストしたスタッフ勤務時間は今シーズンも概ね目標を達成して現在も継続中。とはいえ、住み込み形態の山小屋勤務では仕事時間と休憩時間の区別が曖昧になりがちです。休憩時間にカウントされているスタッフの食事時間については慌ただしい食事とならないように接客・電話対応などの全ての業務は小屋主人、あるいは現地管理人の私が対応しています。
山小屋アルバイトに応募し、実際に勤務してくれるスタッフさんの志望動機をざっくりとひとまとめにすると、”憧れの北アルプスで暮らし、様々な体験をしてみたい“ということになるでしょうか。体験重視は良いのですが、それを受け入れる山小屋側はそんなスタッフさんたちの“憧れ”に甘えてはいけないな、と自戒することが多くあります。何時間残業しても「いやぁ~、お疲れさま~」と、缶ビール1本渡して終わり、ということをもしも双方が当たり前のように感じていたらどうなるでしょうか?「自分は別にそれでいいし、短期だし、山小屋ってそんなもんでしょ?いろんな体験出来て満足してるし」と感じているスタッフさんも、もしかしたらいるかもしれません。けれど、その雰囲気が続いた時、小屋スタッフの待遇改善を積極的に考える姿勢が山小屋の内部から生まれることがあるだろうか、街の仕事との待遇・賃金格差に敏感になって慢性的な人手不足への対策を真剣に考えることがあるだろうか、という心配がやはり残ります。
槍平小屋も他人ごとではなく、当然、上記の課題と取り組み続けていかねばなりません。現在のアルバイトスタッフさんに対しても日給を時給換算した時に、”岐阜県の最低賃金を下回らないこと”をなんとかクリアしている状態に過ぎません。 山小屋SNSではあまり取り上げられないテーマかもしれないのですが、山小屋が”大自然に抱かれた、ブラックな職場“とならないよう、槍平小屋はこれからも“働き方改革”を続けて参ります。今、山小屋で働いている方、あるいは今後、山小屋アルバイトをやってみようと考えている方にとって何かひとつでも参考になることがあれば幸いです。
槍平小屋 橋本直忠
(現地小屋管理人・X/槍平小屋ニュース更新担当)