テレビとうさん

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「通貨」 と 「貨幣」 ⑥

2022年11月04日 | 経済
 「IMF(International Monetary Fund)」は日本語で「国際貨幣基金」ではなく「国際通貨基金」と訳しています。一方「MMT(Modern Monetary Theory 或いは Modern Money Theory)」は一般的に「現代貨幣理論」と訳していて、「現代通貨理論」と訳すのは私くらいだと思います。

 常識的には「現代通貨理論」は「Modern Currency Theory」ですが、「通貨(Currency)」には「貨幣」ではない「銀行預金」や「国債」等も含まれるので、「MMT」を「現代貨幣理論」と訳すと理論展開が出来ないと思います。

 勿論、Currencyにも貨幣の意味は有りますが、日本の法律では「貨幣は硬貨のみ」とされていて、日本語で「貨幣(硬貨)理論」と訳すと意味が不明になります。

 「貨幣」の「幣(ぬさ)」とは、神前に供える幣物(へいもつ) のことで、その物に形や象徴的な価値が無ければ供える事は出来ません。紙幣と貨幣(硬貨)には形と価値が有るので、賽銭に適していますす。気持ちだけでは、価値が有っても形が無いのでご利益は無いと思いますww

 「通貨」は複数の人が価値を認めればどんなモノでも良く、銀行預金の様に「記録の数字」でも問題は有りません。更に言えば、信用が有れば「単なる記憶の数字」でも良く、つけ払いで利用される数字も通貨と言えます。通常は、つけ払いは紙幣や貨幣で決済されるのですが、体で決済される事も有るので、「ヒトの体や頭脳」も通貨と言えるかもしれません。

 紙幣や貨幣(硬貨)には形があり、且つ実質的な価値がりますが、「通貨の一形態」に過ぎません。

 マルクスの「賃労働と資本」を読んだ事は無いのですが、と云うより私は本を読まないので、何を説明しているのかは分かりませんが、単なる「通貨の説明書」に過ぎないと思っています。当時は「現金(金貨・銀貨)」が主流で、借金(資本)も通貨であるとは理解していなかったと思われます。

 マルクスは「労働力」を「商品」と見做して理論構築をしたようですが、その影響が今でも残っていて、現金と商品の交換を(資本主義)経済と思い込んでいる経済学者が散見されます。

 日本では昔から「体が資本」とも言っていたように、「資本主義」とは、現金に限らず「価値の交換」に資するモノは全て通貨として扱い、

[総負債額+自己資本額]=[総資産額]

が成立する事を理解する必要が有ります。資本主義国家の政府は、政府自らの資産形成を目的としないので、「(単)年度会計」で負債が先に立ち予算執行をしてその果実(資産)を国民が得ます。

 「税収」は、国民所得の一部が政府に移転するだけなので、GDPには影響しません。つまり、「借金無くして経済成長なし」であり、借金がGDPの正体と言えます。

 政府の借金(巷では、国の借金と言われている)の増加額が、国の資産形成の増加分で、将来の「国民の負債」ではありません。但し、見返りの無い海外援助や、反日外国人に対する助成金は、確実に「将来の国民の負債」になります。

 最悪の場合は、資本も流出し債務超過になって、負債を返しきれず国家を失います。



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