オメガねこ

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「富田メモ」 と 「国際条約」

2020年08月31日 | 法律
富田宮内庁長官のメモには「昭和天皇の発言」について、

「私は或る時に、A級が合祀され
その上 松岡、白取までもが
筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが
松平の子の今の宮司がどう考えたのか
易々と
松平は平和に強い考えがあったと思うのに
親の心子知らずと思っている
だから 私あれ以来参拝していない
それが私の心だ」

と、書かれていたそうです。

「東京リンチ事件(通称:極東国際軍事裁判)」で捏造された「A級戦犯(平和に対する罪)」ですが、1948年12月23日(現上皇の誕生日)に7人が「A・B級戦犯」として処刑されました。しかし、日本が主権を回復した1952年4月28日(サ条約発効)直後の5月1日に「戦犯拘禁中の死者はすべて公務死とする」として「国内法の解釈変更」がなされました。

その後、1952年6月9日に「戦犯在所者の釈放等に関する決議」、1952年12月9日「戦争犯罪による受刑者の釈放等に関する決議」、1953年8月3日には「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」が圧倒的多数で可決され、この日から正式に日本では「A・B・C級戦犯」は存在しない事になりました。

1978年10月17日になって「A級戦犯とされリンチで殺された犠牲者6名とB級戦犯とされた1名」を含む「昭和殉難者(法律上は公務死)」が靖国神社に合祀されました。

2006年に報道された「富田メモ」は、1988年の昭和天皇の発言とされていますが、若しこのメモが「真実」だとしたら、昭和天皇は「国会決議」を無視した事になり、「公務死者」を「戦犯」として貶めた事になります。また、
竹田恒泰氏の解釈によると「天皇に私無し」と言われることから、天皇は常に公人であると判断し、天皇が「国会決議」を公に無視した事になります。

つまり、天皇が「A級が合祀され・・・」と言ったとのメモはウソか、捏造か、或いは富田宮内庁長官の勘違いであるかも知れません。若し、「富田メモ」が真実なら「天皇には靖国神社に御親拝する資格がない」事になり、「富田メモ」が間違いなら「天皇が靖国神社を御親拝成されないのは国論が二分しているから」である可能性が有ります。

もう一つ考えられるのは、外務省の判断が「我が国は、サンフランシスコ平和条約第11条により、極東国際軍事裁判所の裁判を受諾しており、国と国との関係において、この裁判について異議を述べる立場にはない」との「国際条約」が「国内法」よりも優先すると云う「政治判断」を天皇もしたと云う事です。

憲法第九十八条
この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

憲法学者の通説では「憲法は国際条約に優先する」ようですが、「富田メモ説」によると、天皇はこれに反して「日本国憲法よりも国際条約が優先する」と考えていたことを示します。




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