オメガねこ

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「学術会議」 と 「民主主義」

2020年10月14日 | 政治
 行きつけのブログで「日本の学会を代表する知識人が、その中で民主的手法で選出した方々を、政治家がその理由も説明せず、【問答無用】とばかりに否定するのは1ミリも理屈にあいません。余りにも失礼とは思われませんか?」とのコメントを見ました。

 私は言葉尻を捉えるのが趣味なので、ここではコメントを書いた当人の「本意」は考えません。

 組織を「代表する」根拠は幾つか有りますが、「民主主義では選挙」「同好会では互選」「公務員では任用」「共産主義では権力移譲」などです。「(今の)
日本学術会議(以降、学会)は、同好会か共産主義的手法」に見えます。少なくとも「自ら代表していると思い込んでいる」だけでは「学会を代表している」とはいえません。しかも「公務員」に成ろうとする人を推薦するのなら、「国民全体の奉仕者」になる覚悟がある人が選出される必要があります。

 憲法第一五条
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

 この「憲法条文での公務員」は、選挙される公務員(議員)と、議員に指名・承認される公務員(日銀総裁など)、内閣などの行政機関によって任用される公務員、等が含まれると思われます。

 学会の会員の任命は内閣総理大臣が「学会が推薦する会員候補に基づいて任命」する事になっているので、「名簿に掲載されていない人」を任命する事は違法行為になります。

日本学術会議法
 第7条 
1 日本学術会議は、210人の日本学術会議会員(以下「会員」という。)をもつて、これを組織する。
2 会員は、第17条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。

 第17条 
日本学術会議は、規則で定めるところにより、優れた研究又は業績がある科学者のうちから会員の候補者を選考し、内閣府令で定めるところにより、内閣総理大臣に推薦するものとする。

 憲法には「天皇の任命(権)」が書かれていて、「国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。」とされています。この場合は「必ず任命しなくてはならない」事が定説とされていて、これは法的には「権利」では無く「義務」と言えます。それは、天皇には憲法に書かれている他には「権能が無い」とされている事から当然と言えます。拒否権が有って初めて「民主主義」と言えるのですが、この場合は「天皇は民主主義の対象外」である事を憲法は示しています。

 当然乍ら、学会が推薦する各人に対して「総理大臣は任命を拒否することが出来ない」とは書かれていません。「統治行為論」を持ち出すまでもなく、行政には「平等の原則」を守る限りに於いて広く裁量権があり、「法的に曖昧な事象」については「明らかに違法性が無い限り、違法とは言えない」とされています。政府が管轄する諮問機関に関して、特定の機関に対し、法に拠らず総理大臣に拒否権を与えないこと自体が「民主主義の原則」に反します。

 若しも、首相の行為に不満が有るのなら「内閣不信任案」を提出するのが最善策と言えます。憲法15条にも「国民の権利」として書かれているので間違いはないと思います。

 
「日本学術会議第181回総会」で菅総理に対しての要望書が出されました。「総会」なのだから、6人衆が任命されなくても学会は成立していると、学会自身が認めている事になります。

 当然、学会の要望(勧告)を受け入れるかどうかも「首相の裁量権の範囲」になります。但し、菅首相は「内閣不信任案」を受け入れて解散総選挙をすべきだと、私は思っています。




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