テレビとうさん

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「土神」 と 「土人」

2021年10月17日 | 雑感
 「土神(どじん)」は ツチノカミ とか ツチガミ 等と読みますが、「土人(どじん)」は ドジン しか読み方は無いようです。

『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、

 「土人」とは、律令制度の「本貫地に居住している人(土人)。「其の地に生まれ住む人。土地の人。「原住民、現地人、現代では「原始的生活をする、土着の人種」、土人形・土偶、「未開地域の原始的な生活をしている住民を侮蔑していった語」を第2義とする辞書もある。

と書いています。その説明にある「第2義とする辞書」の原文を見た事が無いので何とも言えませんが、通常は「未開地に住んでいる人」を直接侮蔑する事は無いと思います。有っても「未開地に住んでいる人に例えて」特定の人を侮蔑する場合は稀に聞きます。

 また、「原始的な生活」の定義も定かではありません。「自給自足」を言うのか、「物々交換経済」を言うのかも分かりませんが、何れにしても「侮蔑の対象」とは思えません。更に「本貫地に居住」と書いていますが、正確には「京以外の本貫地に居住」です。

 想像するに、その辞書の編纂者自身が差別意識の持ち主だった可能性も有り、「未開地域の原始的な生活」を侮蔑しているかもしれません。編纂者自身が「未開地」「原始的」に対し、侮蔑意識が無ければ語句の説明にはなりません。例えば

「土人とは、最先端地域に土着し創造的な生活をしている住民を侮蔑していった語」

とは、書けないと思います。

 おそらく、その差別編纂者は「現在の日本は、国際化に乗り遅れた
ガラパゴスと言える」くらいの、本人にとっては最大の「侮蔑用語」を使用すると思います。

 それは兎も角、「土神」を侮蔑用語として捉える人はいないと思いますし、「土神」を信仰する人に対して「土人」と差別的に呼ぶ人もいないと思います。「地祇土神(ちぎどじん)」は、「天津神」から派遣された「国津神」の総称で、非科学的な土着信仰の対象です。

 つまり、日本人の多くは「土人」と言えます。但し、古くから京都に居を構えている人は対象外です。私は、日本から出た事も無い純粋な「土着民族」の一人です。人生の90%は札幌に住んでいる「土人」ですが、差別された事も侮蔑された事も有りません。

 是非とも国語学者には、「土人」を第2義の「侮蔑用語」から外して貰いたいと思います。京都人が「土人」を区別したり、国語学者が「土人」を差別するのは止むを得ないとは思いますが、普通の人は差別意識は全くありません。

 多くの日本人は、原始的な「土神」や「天津神」を普通に暮らしの一部としている「土人」です。辞書に「土人」は侮蔑用語と書いている事から、他人を侮蔑する時に「土人」を使用する人が出てくると思われます。

 差別のない所に差別を生むのは、是非ともやめて貰いたいと思います。




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