オメガねこ

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「所謂、人間宣言」と「所謂、神の粒子」

2019年05月21日 | 歴史
「昭和天皇の人間宣言」と云う言葉を何気なく使う人がいます。
「人間宣言」と云う「宣伝語(プロパガンダ)」を使うときは「所謂”人間宣言”」と書くべきだと思います。

所謂「人間宣言」とは、左翼の造語であり「昭和天皇の新日本建設ニ関スル詔書」には、それを示したり仄めかす言葉はありません。

該当部分とされる詔
「・・・朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯ハ、終始相互ノ信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ・・・ 」

現代語訳
「私と国民との間の絆は、常に相互の信頼と敬愛とで結ばれていて、単なる神話や伝説によって生まれるものではありません。
それは、天皇を現(人)神としたり、且つ日本国民を他の民族より優越しているとし、それ故に世界を支配すべき使命を有するなどという架空の観念に基づくものでもありません。」

「神」は英語訳では唯一絶対神「GOD」ですが、日本では「万物の内在神」です。勿論、「神話や伝説」そのものを否定しているわけでもありません。

この詔書が(暗に)GHQに対して発せられたモノだとしたら、「神」の意味を説明すべきだったとは思いますが、これは日本国民に対しての詔なので、天皇が「一部の国民(好戦過激派)の架空の観念」を戒めたのであって、自身が「神から人間に戻った」等と宣言した訳ではありません。

天皇の自然崇拝・祭祀から生まれた「神道」でも「神は萬物に宿る」とされていて、神は天皇の専有物で無い事や、天皇だけが神の子で無い事は明らかです。

「神」そのものを否定する一部の人は、「神話」の「神」の一字を見たり聞いたりするだけで、条件反射的に白目を剥きます。「無神論者」に「内在神」を理解させるのは、「一神教の信者」に「内在神」を理解させるよりも難しいかもしれません。

砂や草・ミミズ・人間・・・・すべてに神が宿り、物質や生物としての存在が保障されています。現在では、一部の科学者は「ヒッグス粒子」を「神の粒子」と呼んでいます。
「神の粒子」との呼び方に反対している一神教の信者に対して、この「事実」を理解させるには、「地動説」を理解させるよりも困難で時間がかかるかもしれません。

そこで、ほぼ存在が確実とされる「ヒッグス粒子」を「所謂、神の粒子」と書くならば、多くの人は納得してくれると思います。

しかし、嘘である「人間宣言」は「所謂、人間宣言」と書き、これを否定しなくてはなりません。


5 コメント

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勉強になります (インドラネット)
2019-05-21 23:08:50
「神は萬物に宿る」
「内在神」
「ヒッグス粒子」
意味深な言葉ばかりですね。

一神教を信ずる方々は、いったんこの「宇宙を支配する神」という考え方から開放されなければ、より深い思索へと進めません。彼らが真理へ到達するには、我々よりもずっと長い時間が必要になるだろうと思います。

「神」の概念を超えるかもしれない「ヒッグス粒子」って「宇宙を満たす幽玄エネルギー」とでも解釈していいんでしょうかね。宇宙のすべてを解き明かす大きな謎がここにあるんでしょうね。
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他でも書きましたが・・・。 (mobile)
2019-05-22 08:21:08
日本人の信仰する『神』が、いかに不完全であるかを指摘したキリスト協者に日本の神官がこう答えたそうです。
『キリスト教のGODの訳語に「神」という言葉を使わないで戴きたい』
この「神」に対する混同から、さまざまな誤解が生じています。
日本における神は本来「鯖声(さばえ)なす荒ぶる神」というように「恐ろしいもの」だったのです。
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インドラさんへ。 (テレビとうさん)
2019-05-22 08:25:27
コメント有難うございます。

千年以上前には、物質の本質は「色即是空、空即是色」とされていました。
百年ほど前まで、物質は「エーテル(絶対空間)」に満たされた宇宙に浮いているモノとされていました。
現在では、(時)空間は相対的で、物質は空間の歪みが具現化されたモノとされる(仮)説が有力です。

将来は、ダークマター(質量は有るが、光学的に観測できない)の正体が解り、「神」の本質が理解できるかもしれません。

「質量=エネルギー」なので、「ダークマター=幽玄エネルギー」と言えるかもしれません。
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mobileさんへ。 (テレビとうさん)
2019-05-22 09:18:16
コメント有難うございます。

荒振神(国つ神)を鎮めるために、高天原(天つ神)にお願いする(祭祀)のが天皇なのでしょうか?
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国家鎮護のために祈るのが天皇の役割であると私は考えます。 (mobile)
2019-05-22 12:52:21
古代においては各氏族ごとに祀る神がありました。
最も力があったのは物部氏が祀る『フツの大神』であったと考えられます(闘争の末、その他の神々はまとめて出雲に流されています)。これに対抗するため蘇我氏は仏教を導入して成功しますが『世間虚仮』とする仏教の思想は国を守るには不適切だったようです。神道による揺り返しと、儒教の導入が行なわれた後、嵯峨天皇の時代になって密教が鎮護国家の役割を担うようになります。現世肯定の密教は結構目的に見合うものだったようで、これ以降神と仏は(明治維新になり廃仏毀釈が行われるまで)融合して鎮護国家の役割を担うようになります。
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『天皇をどう訳すべきか?』を議論したことがあるのですが、従来使われている『エンペラー』は成り上がりモノ(ナポレオン等)のイメージがあるから不適切、血筋を重視するなら『キング』で、最も適当なのは『ハイエロファント』ではないかという結論に落ち着きました。
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天皇陛下は鎮護国家のために祈ることがお仕事なのです。
天皇陛下が被災地を見舞っているのは、自らの祈り(または霊力)が足らなかったことを「お詫び」しに行っているのに違いありません。
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