オメガねこ

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「自由貿易」と「管理貿易」

2019年04月20日 | 経済

韓国による「福島などの放射性物質の漏出を理由にした水産物の輸入禁止は不当」として日本が提訴している問題で、世界貿易機関(WTO)は「福島産の水産物の安全性には問題ないが、韓国の措置も妥当。」とする最終判決を下しました。

この輸入規制は韓国以外でも20か国以上あり、各国の法律や条例での輸入規制は有効であると、「自由貿易促進を主たる目的として創設された国際機関であるWTO」が認めた事になります。 現在では、日本国内で科学的に安全とされた福島産の農水産物は、日本国内では通常販売されています。つまり、科学的根拠が無くても、各国が懸念を持てば国内法に拠る「管理貿易」の正当性をWTOが認めた事を意味します。

アメリカのトランプ大統領が、自国の産業保護の為に高率な関税を掛けると言った時には「保護主義には反対する。」と言ったWTOが、いつの間にか「管理貿易の容認」に変貌しました。

経済学上は、関税に拠る「保護貿易」がトータルとして国内産業の保護に繋がるかどうかの確たる結論は出ていません。その証拠に、米中間に於ける貿易関税戦争でも、貿易量に明確な変化は現れていませんし、逆に、中国からアメリカ向けの輸出額が増えている統計も有ります。

WTOの今回の決定で、関税に拠らずに輸入停止することが可能になり、「管理貿易」がしやすくなります。 韓国や中国の食品には害虫や死んだ虫が混入している場合が多く、WTOによると虫の科学的な危険性は考慮する必要は無いので、これは感情に拠る輸入停止の根拠になります。

元々、江戸時代の「鎖国」は「管理貿易」の典型で、日本は「鎖国」のお陰で平和な時代を過ごしていました。しかし、経済発展の遅れと云う副作用も現れ、開国を迫られました。同時に「開国の副作用」である混乱も容認しなくてはならなくなり、いくつかの対外戦争を経験しました。

戦後、日本が「管理貿易」をしていた時には、WTOはこれを非難しました。現在では「自由貿易」を推進しているのですが、WTOは「管理貿易」を認めています。 これは、日本の憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」が原因です。

「日本には何を言っても許される。」と、完全にナメられています。


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