テレビとうさん

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「君主」 と 「民主」

2022年07月25日 | 思想・思考
 「民主主義」は民(たみ)に主権があるのですが、「民」には二種類あり「国民」と「人民」です。「国民(=nation)」は国の民なので解りやすいのですが、「人民」の場合は更に二種類あります。

 「人民(=people)」は、所謂「民主主義国に住む住民」で、アメリカ合衆国(合州国)やEU(欧州連合)に住んでいる人です。

 「人+民」の場合は、一部の人民共和国の様に、独裁主義国を構成する「支配層(=human)+隷属民(slave)」を意味します。

 通常「君主」は「国家を治める最高位の人」を意味するのですが、日本国憲法では国民が最高位の人々なので、「君(きみ)」は国民を意味します。

 伊弉諾(いざなき)と伊弉冉(いざなみ)や、翁(おきな)と嫗(おみな)のように、「き」は男を「み」は女を意味し、「きみ(=君)」は人の男女(民とは限らない)の総称を指すとされています。

 その意味からすると、日本語で日本国に対して言う「君主政治」とは「国民による政治」となり、外国では一般的な「王権政治」とは正反対の意味になります。

 これは、日本の神道では「神は萬物に内在する精霊」を意味するのに対して、多くの一神教で言う「神は萬物の創造主」であるのと同様に、「神」が正反対の意味になる事からも理解できます。


 君が代

君が代は 千代に八千代に
さざれ石の いわおとなりて
こけのむすまで


 「君が代」は、和歌(詠み人知らず)を明治になって儀式用の楽曲に使われ、昭和になって国歌として定着したとされています。1999年(平成11年)に「国旗及び国歌に関する法律」で正式に日本の国歌として法制化されたのですが、国歌としては世界最古(約千年前)の歌詞だそうです。

 ところが、「君が代は天皇を讃える歌だ」として忌避する人がいるようです。但し、そう云う人に限って「護憲派」が多いのですが、憲法を無視している事に気付いていないようです。


 憲法第一条
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。


 「国民の総意」で生まれた(実際はアメリカから頂戴した)憲法に「天皇は国民統合の象徴」とされている上に、天皇は男系男子であることは皇室典範に書かれている事から、「天皇は君(男女)では無い」ことは明らかです。


 皇室典範第一条
皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。


 若しも、天皇を「欧米中式の君主」と信じているのなら、その人は「日本国憲法」を外国語で理解している事になります。勿論、「日本国憲法」は元々は英語なので、私はその人の気持ちを理解できない訳では無いのですが、「悪法も法なり」なので占領統治法(通称、日本国憲法)でも、日本語で解釈して従います。

 例え最初に詠んだ作者が「君」を当時の日本の天皇や王朝を想定したとしても、それはその人の「君」であり、違う人が詠んだ場合は違う人が「君」になるので、多様性を押し付ける「多様性の無い人」に言われる筋合いは有りません。

 若しも「君が代」を天皇による治世と考えるのなら、憲法には改正条項があるので、「象徴天皇」から「元首天皇」に改正すべきと主張しても良いのですが、多くの日本人は外来憲法によって「象徴天皇」と信じているようなので、やはり「君」は国民一般を指すと解釈した方が正しいようです。




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