オメガねこ

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「核の傘」 と 「核の蚊帳」

2019年05月29日 | 国際情勢

相対立する国の関係に於いて、核兵器を保有する事で(互いの)侵略行為が躊躇される状況を作り出し、結果として全面戦争が回避されると言う理論を「核の傘(核抑止)論」と言います。 また、核を持っていない国が他国からの侵略を防ぐ為に、同盟国の核を利用する事も「核の傘」と言います。 現在では、日本は米国の「核の傘」で守られていると言われています。

第一次大戦終結後に、二度とその悲劇を繰り返さないようにと国際連盟が組織されましたが、米国は加盟せずに領土拡大の謀略を練っていました。国際条約は加盟しなければ従う必要が無く、また非加盟国に十分な国力が有れば国際的な制裁は意味を持ちません。

第二次大戦終結後には、戦勝国連合がUN(国連)を創設しましたが当初から機能しませんでした。常任理事国以外の核保有を禁止する為の「核拡散防止条約(NPT)」が発効しましたが、非加盟国には従う義務は無く、核が拡散しました。これは、常任理事国を含め多くの国が「核の傘」を信じているからであり、非加盟国も制裁覚悟で核の開発をした結果です。

現在までの所、大規模戦争に関しては事実上「国連」の平和構築機能よりも、「核の傘」の方が有効に機能しているように見えます。

多くの左翼系の人達は、北朝鮮の核廃棄交渉に於いて、日本は「蚊帳の外」に置かれていると言っていました。「蚊帳の外」の本来の意味は、外では蚊に刺される恐れがあり、蚊帳の内側は安全と云う事です。

安全な「蚊帳の内」では、核保有国同士が交渉し、非保有国の日本は危険な「蚊帳の外」に居る事になります。つまり、「核の傘」の安全性を信じている核保有国が蚊帳の中で交渉し、危険な「蚊帳の外」では日本などの非保有国が見守っていると云う事になります。 つまりこれは「核の蚊帳」と言えます。

左翼系の人達は、安全な「核の蚊帳」の内での交渉を支持しているようにも見えますが、核廃絶も訴えています。  核廃絶論者は、全員を危険な「蚊帳の外」に追い出したいのか、日本を安全な「蚊帳の中」に入れたいのか判りません。

「核の蚊帳」の内と外、どちらが安全かも判りません。 




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