オメガねこ

知識は人をバカにする。
智識はバカを人にする。
信じるか信じないかは、自分次第です。

「MMT」 と 「借金」

2019年06月22日 | MMT

 「俺が日銀総裁になったら、ビュッフェ形式で札束をばら撒いて、インフレになったら直ぐにおカネを回収する。」と、冗念を・・もとい、冗談を言う人が居ます。そうすると、すぐにでも経済は正常軌道に乗るらしいです。

 また、「MMTは、ハイパーインフレを防ぐ為の数式モデルを示していない上に、ド左翼も応援しているので、最初から破綻していて、戦争への道を開く。」と、真面目に言ってます。

 MMTの基本仮説 : 「自立している各国政府は、任意の自国通貨建て国債等の発行により財政支出量を調整することで、望ましいインフレレベルを目指す経済政策を、税収に制約される事なく行える。」

 計算式通りに経済(理財)を運営する事を「計画経済」と言い、「共産主義」の基本的な理財手法です。リフレ派の言う数式モデルで経済が上手く運営できるなら、「共産主義国家」も破綻しないで済んだと思いますが、事実として「共産主義国家」は存在しません。「似非共産主義独裁者」に支配されている地域があるだけです。

 また、日銀は「札束」を勝手にばら撒くことは、法律の制約があって出来ません。日銀法で「日本銀行券の製造及び消却の手続を定め、財務大臣の承認を受けなければならない。」とされている上に、市中銀行に対してしか、しかもその要求が無ければ発行する事が出来ません。それは、「日銀券」は日銀の負債(所有者の債権)なので、勝手に日銀の負債を市中銀行に押し付ける事が出来ないからです。

 そもそも、市中銀行は自分の意思で(勝手に)「預金通貨」として「お金」を発行する事が出来るので、「日銀券」は寧ろ「敵対通貨」と言えます。「日銀券」や「政府通貨(硬貨)」が無ければ、両替機やATMの経費が不要になり、市中銀行の利益は増えます。

 この誤解が何故生じるかと言うと、「お金が何処かにプールされている」との旧態依然とした「間違った思考」から抜け出せないからだと思います。マクロ経済に於いては、「お金は必要とされた時に生まれ、不要になったら消えていくモノ」であるとの原理が解れば、「リフレ派の間違い」にすぐ気が付くと思います。

 欲しいモノが有れば、現金(自分の資産で日銀の負債)か借金(自分の負債で貸し手の資産)で買います。、銀行から借金する事で「お金」は生まれ、働いて(付加価値を生成する事で)「お金」を稼ぎ、借金を返すとその分の「お金」は跡形も無く消失します。

 ここでの「借金」とは、「借用書」と「お金」がセットであり、見る方向によってそれぞれ「資産」にも「負債」にもなります。

 銀行からの「借金」は、少額の場合は「現金(日銀の負債)」で借りますが、多額の場合は「預金通貨(銀行の負債)」として借り、通帳に数字が印刷されます。この時の借主は、担保として自分の資産を差し出しているので、理論上は金利以外では「貸し借り無し」です。「質屋」の仕組みと同じで「借金」を返すと担保を取り戻せます。

 当然、銀行側から見ると、「預金通貨」は銀行の負債なので、借主の支払い要求が有れば「現金」を引き渡す義務が生じます。しかし、借主から提供された担保物件は銀行の資産なので理論上の損失は有りません。ここでややこしいのが、銀行から借りてしまった「お金」は自分の資産なのですが、「借用書」を負債として抱える事になり、銀行にしてみれば、この「借用書」が資産になり、「預金通貨」は負債になります。 つまり、「お金」は「借金」から生まれ、経済成長は「借金」が原資であると云う事です。「札束」にしても「日銀の負債」なので同じことが言えます。

 銀行に保管してある現金は、日銀の負債ですが、銀行の資産でもあります。保管しきれない現金を日銀に当座預金として預ける事も出来ます。現在では(法律で)、この当座預金の100倍くらいまでの「預金通貨」が発行可能になっています。 しかし、必要とする人が居ないので、10倍も発行されていません。不景気(需要不足)が原因、只それだけの事です。

 



コメントを投稿