mariの自然さんぽ

道ばた・近所の山・公園などの植物、動物を探してふらふらと散歩。

天神島②

2020-07-22 18:06:19 | 日記
天神島①の続きになります。
編集途中で消去してしまい遅くなってしまいました。🙇‍♀️

天神島で貴重な塩性植物の1つにハマボウがあります。


○ハマボウ(アオイ目アオイ科フヨウ属)
ハマボウは海岸の砂泥地に生える落葉低木または小高木です。
天神島で植栽を管理していた方にお話を伺ったところ、ハマボウは種子からでも意外と簡単に発芽するらしく、自宅の庭などで育てた場合には栄養が良く高木に育ってしまうそう。



ハマボウはわざわざ厳しい環境で生き残る能力を身につけたのですね。



○ハママツナ(ナデシコ目ヒユ科マツナ属)
海岸の砂地に生える一年草、暖地では二年草又は多年草になることもあります。
このハママツナは海水に浸かる干潟でも生活ができ、細胞液の濃度が高いために海水に水分を奪われない仕組みになっているそうです。👏





○ツルナ(ナデシコ目ハマミズナ科ツルナ属)
海岸の砂地に生える肉質の多年草です。ハマヂシャなどとも呼ばれ、葉を食用に栽培されることもあります。



高温や強風、水分が少ない環境に耐えるため、水分貯蔵のために多肉質になったらしいです。



アリも来ています。蜜が美味しいのかしら。



○タイトゴメ(ユキノシタ目ベンケイソウ科マンネングサ属)
こちらも厳しい環境に耐えるため葉の表面積をできるだけ小さくして多肉質になり、乾燥を防いでいます。





○ネコノシタ(キク目キク科ハマグルマ属)
ネコノシタとは本当によく言ったものです。葉の触り心地はザラザラと猫の舌のようです。



ネコノシタとスカシユリの競演。



○ハマボッス(ツツジ目サクラソウ科オカトラノオ属)
やはり海浜性の植物、葉がツヤツヤのクチクラ層で覆われています。
これがオカトラノオ属とは知りませんでした。



実もなっています。



これがオカトラオです。似てますか?🤔






茅ヶ崎の公園でも紹介しましたハマゴウ。



スカシユリも沢山咲いていました。

海浜植生もじっくりみるとなかなか面白いです。

天神島①

2020-07-18 17:17:12 | 日記
今日は雨の中、週末の買い出しに横須賀方面へ。
その帰り道、少し太陽が顔を見せてくれました。
貴重な晴れ間☀️、折角なので天神島に寄り道して散歩をしてきました。



天神島は三浦海岸に残された数少ない自然海岸で南方系海浜植物ハマオモト(ハマユウ)の分布の北限地として神奈川県の天然記念物、名勝に指定されているそうです。



ハマオモトは少し盛りを過ぎていましたが、ちゃんと咲いていてくれました。



○ハマオモト(クサスギカズラ目ヒガンバナ科ハマオモト属)
ハマオモトは種子は表面はコルク質その内側は海綿状になっていて海水によく浮くそうで、海流に乗ってその生育範囲を広げていくらしいです。葉山でも自然でたどり着いたのか見られるほか、鎌倉の海岸などでも良く見かけます。





○スカシユリ(ユリ目ユリ科ユリ属)
花被片は下部が狭くなり、各片の間に隙間があります。下が透けて見える。これが名前の由来になります。
堂々とした立派なお花です。これなら潮風にも耐えられそう。



○トベラ(セリ目トベラ科トベラ属)
潮風や乾燥に強く、普通海岸林などに生育します。雌雄異株。
この果実が熟すと割れて中から粘液性物質に包まれた(仮種皮?)赤い種子があらわれます。
食べたことはないですが、味はあまりないようで鳥などにくっついて種子が運ばれるそうです。



○ハマカンゾウ(クサスギカズラ目ススキノキ科ツルボラン科ワスレグサ属)(※APGⅣよりツルボラン科になったらしく、修正いたします。すみません。)
ノカンゾウに似ていますが、葉が常緑で厚く、濃緑色です。



○ハマヒルガオ
海岸や砂地に生える多年草。普通のヒルガオと違い葉が円腎形で厚いです。
ベニシジミが遊びに来ていました。


天神島②に続きます。


ナガエコミカンソウ

2020-07-15 15:36:28 | 出会った植物
○ナガエコミカンソウ(キントラノオ目コミカンソウ科コミカンソウ属)

アフリカ東部などの熱帯、亜熱帯原産の植物です。
うちの庭にもここ数年、よく見られるようになりました。
最初は「あれ?ネムノキが生えてきたのかしら?」と経過を観察していたのですが、よく見てみると、
「小さな花が葉腋についてる!小さな実まで。」
ネムノキの花はピンクのもっと大きなお花だったはずです。それにマメ科の実でもなさそう、、と
早速、手元にあった野草、雑草の辞典をあさって調べてみたところナガエコミカンソウでした。





まるでマメ科の羽状複葉のようですが、詳しくは違うらしく、コミカンソウ型分枝
(※主茎には鱗片葉しかつけず、その腋から普通葉を持つ小枝を分ける)というらしいです。

ネムノキの葉のように柔らかく、見た目の観葉植物のように綺麗な姿です。



花も実もとても小さい。



本当に緑色のミカンのような実です。ちなみにナガエコミカンソウでなく、コミカンソウの実は赤褐色でもう少しミカンらしいです。
ご近所のお子さんは道に生えたコミカンソウをミカンと言いながら実を採っています😊



追記
コミカンソウの写真です。ご近所のお母さんに手伝ってもらって撮影。







コミカンソウはミカンの柄の部分がほとんどなく、茎も赤いです。
実も赤っぽくなります。


参考文献  大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司編(2016)改訂新版 日本の野生植物 平凡社

マヤラン

2020-07-15 12:51:38 | 出会った植物
○マヤラン(ラン科シュンラン属)
絶滅危惧Ⅱ(VU)

緑色の葉のない菌従属栄養植物です。
東京のある公園で咲いているという事で名前を知り、咲いていないか探したのですが、最初の年は見つける事が出来ず、、
翌年、神奈川の自然環境保全センターの中で咲いている様子を観察する事が出来ました。
花期が6月から10月とかなり長く、2回咲く事もあるらしいので、割合と観察しやすいのかもしれません。



シュンラン属なので花の形は少し似ているよう。でもシュンランにはシュッとした長い葉があります。






こちらは東京の公園。



果実の様子。葉はないのですが、葉緑素はあるらしく緑色です。



こんなベンチのそばにも咲きます。
マヤランが従属している菌は寄生する樹木がなければいけないはずですが、樹木の下からかなり離れても大丈夫なのかしら?



コクラン

2020-07-15 11:32:27 | 出会った植物
○コクラン(ラン科クモキリソウ属)

ラン科の地味ですが、よく見るととてもシックな私は好きなお花です。

私は近所の花を意識して観察し初めて3年くらいになります。
ラン科の花というと遭遇するのが難しい感じもしますが、
私の住む神奈川県の湘南地域の山にはちょっとよく地面を見ていると、葉っぱの状態のコクランをちょこちょこ発見する事が出来ます。
私がお山で見つけた初めてのランですので、思い入れもあるのかな。

お花の色形は特徴的で、糸のように細い側花弁、細い側萼片です。










この写真、花が逆さなままですね。



果実はこんな感じです。タネでは増やせるでしょうか?





ちなみにクモキリソウ属のクモキリソウはこちら。



クモキリソウ属にはコクランに似た、より大型のユウコクラン、チケイラン、ジガバチソウ、スズムシソウなどあり、これから色々見て行けたらいいなと思っています。