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犯罪を扱ったドラマはあまり好きではないのですが、麻薬だとかマフィアのボスだとかが出てこないものなら、まだ見れる。
刑務所を舞台にした1999年の映画「グリーンマイル」は、よく知られた作品ですね。いつか絶対に観ようと願っていた切望作。しかし、ファンタジーのお話だとは思いませんでした。
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1935年のジョージア州コールド・マウンテン刑務所。大恐慌を反映してか、凶悪犯罪者の収監が絶え間ないこの刑務所の看守主任ポールは、人格者で囚人にも手荒なことはしない。頼もしい同僚に囲まれているが、新人看守のパーシーは州知事の甥であることを鼻にかけ、しばしば問題を起こしていた。
ある日、巨漢の黒人死刑囚ジョン・コーフィが死刑囚舎房に入れられた。幼女をふたりの殺害という罪を背負ったジョンだが、いかにも人の良さそうな言動の男。そして、彼には不思議な力が隠されていた。
その奇跡にあずかったポールは、自分の職務を危機にさらしてでも、ある人物を救おうとする…。
ドラマの大半は刑務所内の出来ごと。ジョンやネズミと仲良くなるドラクロアなど好感度の高い囚人、温厚なポールやその友人ブルータルがいるいっぽう、生意気なパーシーや悪態をついて憚らないウォートンなどはかなり悪らつに描かれています。
しかし、最後にふたりにそれなりの鉄槌が下るところは胸がすく思いですね。
グリーンマイルというのは、死刑囚が電気椅子に向かうまでに通る緑の廊下のこと。転じて、死への旅路の意味あいでもあります。
年老いたポールが、自分に奇跡をくれた男を救えなかった後悔のために口にする最後の台詞、なんとも胸がつまりますね。
原作は「ショーシャンクの空に」でもおなじみの、スティーブン・キングのベストセラーの同名小説。
そして監督も、フランク・ダラボン。
主演はポールに、トム・ハンクス。「アポロ13」や「フォレスト・ガンプ 一期一会」以来ファンになりました。この人の主演映画は良策揃いで、好んで観ています。
ブルータル役は、「コンタクト」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のデイヴィッド・モース。意外と長身なんですね。
不思議な能力者の囚人ジョンには、「アルマゲドン」でも涙もろい役を演じたマイケル・クラーク・ダンカン。
水が象徴的に用いられていて下ネタっぽくもあるんですが、感動できるように筋書きが練られ、巧みな人間関係に魅せられていくので、下品には感じません。むしろ品のいいユーモアだと感じる。こういうスマートな見せ方はいいですね。
三時間を超す大作にも関わらず、まったく飽きませんでした。
(〇九年八月十八日)
グリーンマイル(1999) - goo 映画