私は極度にロマンチックなお話ややや危険なラブフェアものは苦手なのですが。
物語に社会的な背景が反映されているとか、景色がよさそうなものとか、変わった動物が登場するものは好んでみたくなります。映画鑑賞の醍醐味は、ふだん自分が届かない世界に浸ることなのですから。
1998年の映画「モンタナの風に抱かれて」は、大自然を舞台に人と馬との交流を描くヒューマンドラマ。
主演・監督を務めるのは、ロバート・レッドフォード。
モンタナの風に抱かれて [DVD] | |
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十三歳の少女グレースは、乗馬中の事故で右脚と親友を失い、人生に絶望していた。愛馬ピルグリムも後遺症で、人間を恐れる暴れ馬になっていた。
母親で有名雑誌の編集長アニーは、娘の診療と馬の治療を兼ねて、モンタナの”ホース・ウィスパー(馬に囁く者)”ことトム・ブッカーを訪ねる。
トムの馬の扱いは手慣れたもので、ピルグリムも徐々に回復。さらにブッカー一家のあたたかいもてなしにも支えられて、心を閉ざしていたグレースも明るさを取り戻す。
都会の生活を離れて大自然になじんだ暮らしに愛しさを感じはじめるようになったアニー。彼女は、いつのまにか夫がいるにもかかわらず、トムに恋していた…。
傷ついた少女が、第二の父とも呼べる逞しくも頼もしいカウボーイに癒されたり、その一家の少年と仲良くなったりするあたり、またアニーがブッカー一家の奥さんやトムの母親と友情をかわす場面はなんともほほえましい。
けれど、夫は誠実で不自由がないのに、トムに恋してしまうアニーはいささか解せなかった。
しかも、ラストはトムへの想いをひきずったまま、かってに帰ってしまうのも。
安っぽい不倫愛(といっても、トムとアニーの仲はキス程度なんですけどね)をもちこまずに、少女と馬の再生に重きをおいていれば、もっと感動できたかもしれませんね…。
馬の表情を丹念に追い、今にも蹴られやしないかとはらはらどきどきする馬の調教シーンなど、難しい撮影を難なくこなす。そして、美しく広大な大自然のスペクタクルと、忌憚のない大家族。
まさに田園生活の理想ですね。
共演のクリスティン・スコット・トーマスは、「海辺の家」で、再婚したけれど癌に冒された元夫を支える女性、「イングリッス・ペイシェント」でも、夫がいながら冒険家に惹かれてしまう人妻を演じましたね。
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