陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ウェブ漫画「ワンパンマン」

2017-06-28 | テレビドラマ・アニメ

最近は、公式の漫画がウェブ上で読めるのも珍しくない時代。
今回は、五月の連休中に読破して面白かった一作、「ワンパンマン」のお話です。ちなみに、これはどちらかというと男性向けかもしれませんね。

テレビアニメ化されたときに、タイトルは聞いたことあったんですよね。
でも、主人公となっている男が主人公らしくないというか、華がなさすぎて、観る気がなかったというか。アンパンマンと何か関係あるのかな、と誤解していたり。

そして最近になって何かのネットサーフィン中に原作ウェブ漫画(http://galaxyheavyblow.web.fc2.com/)にたどりついたので読んでみたのですが、正直、夢中で読めました。私、基本的に美形が出てこないと嫌なたちなのですが、この原作のヘタウマな絵柄とシュールなギャグは独特です。しかも、主人公の青年サイタマがやる気なさげでダサい(超失礼)と思っていたのに、途中からみごとにカッコよくなります。

主人公だけでなく、周囲にいる個性的な脇役もなかなか味があります。
パワーレベルがとんでもないのから、咬ませ犬的なのだけど憎めないキャラまで、よりどりみどり。この主人公の男はある日突然に目覚めて、どんな怪人で一発粉砕できるぐらいの超人レベルの破壊力を持っているのですが、どこか小市民的というか、英雄らしい尊大ぶった威厳もないし、見栄もない。取柄がなさそうなのに、なんとなく、いい奴な主人公。「趣味でヒーローをやっている者だ」と名乗って登場するシーンがあるのですが、ここが中盤の見せ場ですね。

この主人公の没個性的な外見は、じつは周囲のキャラたちのアクが俄然強すぎるので、かえってむしろ光ってみえます。スランプとか挫折とかは無縁の、しょっぱなから俺最強系でまあ今の若い子受けしそうなんだけど、ヒーローは仮面であるべき、善行は日陰で行うべき、弱者を助け強者を挫く、というじつに日本の古典的なヒロイズムが貫かれているあたりが好感もてます。ふだん冴えないけれど、いざとなったら化ける人は、平常運転の天才よりも、よほど魅力的なのです。複雑な技名叫ぶとか、世界観システムどうたら、とかめんどくさいアクションに飽きた方でも読みやすいです、これは。

ちなみにこの原作ウェブ漫画は、週刊少年ジャンプ連載作家にリメイクされて、これもウェブ公開(となりのヤングジャンプ:ワンパンマン)されてコミックス化されています。漫画は「アイ・シールド」で知られる村田雄介氏。作画のクオリティがかなり違うのと、ストーリー展開が変わっている部分ありますが、先に原作から読むのがおススメ。原作者のONEさんは他の作品で漫画家デビューしています。なお、「ワンパンマン」は、テレビアニメの二期制作が決定している模様。





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