
私はよほどの定番の要素(和風、キャラ造形が豊か)がなければ、漫画を作家買いしません。
これはアニメやドラマ、小説もそうで、初期作が好きでも、キャラが増えて誰が誰だかわからなくなってくることがあり、あまり長編ものには手を出さない方です。
最近ですと人気漫画の『鬼滅の刃』も、最終回間近になってからやっと読んでみました(身内から借りた)。あの作品はほんとうにいい時期に終わったと思います。漫画家さんはいろいろ大変だったみたいですが。
ジャンプ漫画の看板作といえば、ギネス更新もした『ワンピース』。
自分の人生の半分くらいは連載してるんじゃないかなと思われぐらい、まだ続いています。作者さんは連載のペースを落としたようですが。
その人気作の作者が、急病につき休載になるとの報道がありました。
ひとつの漫画が休載したぐらいでニュースになる。日本のサブカルチャーの話題度もかわったものだと思いますが。漫画家さんも体力勝負だし、週刊連載だときつそうだし、まあわからなくもありません。
ここですこし不吉なことを申し上げますと。
続きが気になるのに、放置されてしまう漫画のことです。病状などではなくても、創作の行き詰まりなどを理由にして、最終回を迎えられない作品というのは、なきにしもあらず。たとえば、『ガラスの仮面』とかですね。
作者が描くのも描かないのもそれは自由だとは思うのだけれども。
大人が漫画を読むときは休日などにまとめ読みすることが多いので、完結していない作品はどうしても手を伸ばしにくくなります。子どもの頃のように、一週間、一箇月間、先をあれやこれや期待して待つ、というのができなくなるんですね、悲しいことに。持久力がなくなったんです。想像力の欠如といいますか。
私は単行本なら30巻以内、文庫本なら15巻以内が目安。
しかも買う前に、あらかじめキャラの名前やスペックなどをウィキペディアなどでおさらいしておかないと、頭に入りません。ネタばれ上等です。いちばん大事なのは、ストーリーテリングもさるところながら、絵柄でして。なんども繰り返し読むため手元においておきたいものは、もう、絵の好き嫌いで選んでいます。
あけすけにいうと、女性の漫画家さんの現代ものは画面の描き込みが白いのと、表情がみな同じに見えることもあるので、避けています。古い少女漫画の方が多いですね。男性の漫画家さんのはほどよくエロスはあっていいけど下品すぎないこと。
ここ十年ぐらいは単行本が5巻以内で終わるある特殊作品関連の漫画をよく買っていますが、この短さが私にはちょうどいいです。作者さんご本人はもうすこし長く連載されたかったのかもしれませんが、どこかで見たようなエピソードで薄められても途中で飽きるのでスピード感ある展開の方が好ましいです。
しかも、その漫画はキャラを流用しているので、既視感でなんとなく話がつかめてしまい、脳のリソースをあまりつかわなくていいのが、お気に入りです。なんだか、ひどい褒めかたです。でも、バカスカ新キャラを出されて、もう嫌気がさして続編を放棄したシリーズものはいくらもあります。
あと、百合だけ、BLだけしかテーマがないのも味気ないので好きではないです。
なんどもブログで書いていますが、どこかでやり尽くされたものを「別の人のオリジナルとして」見せられるのは好きではないです。しかしながら、こういう萌えなり、性癖なりはかなり細分化かつ多様化しすぎているので、お仕着せの商業出版ではなしに、個々人が手料理のようにつくって楽しむ時代なのかもしれません。SNS上で各自の妄想を持ち寄って親しんでいる姿を見るに。作品の良さではなく、それをきっかけにした出会いを求めている。
しかし、昨今はコロナでいろいろ荒んでいますので。
とりたてて大きな事件もないような、ゆるふわなお話の方が受けるのかな、という印象がありますね。
年年歳歳、長寿漫画は手を出しにくい。
断捨離をすすめつつ、本棚へ残したい本を考えると無駄に長くないほうがありがたい。シリーズ人気が続くのはいいことですが、追いかける読者も大変です。若い頃のワクワクドキドキを感じられなくなったら、一遍に熱が冷めてしまう。…という、とてもわがままな読者の世迷言なのでした。
(2020/10/02)
読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。