移動3日目、8月4日。
まずは、アマリロの街中でガソリンを入れます。
エルクシティでの失敗を繰り返すまじ!
今回からは現金で支払うのだ! あの時はカードが認識されなかったのが全部悪いんだ!
●よくわかる現金での給油のしかた
1.車をポンプの前に停める。ポンプには番号がふってあるので、それを覚えておく。
2.併設のコンビニのレジに向かう。
3.店員さんにお金を支払う。車を止めたのが5番ポンプで、30ドル分給油したいなら、
「30 dollars on number 5 , please」
みたいに言えばOK。
4.ポンプに戻って、車の給油口を開け、ポンプのノズルを給油口に差し込む。
5.ガソリンの種類を選択。
ハイオクとかもあるけど、ワタクシはメンドクサイので常にレギュラー。
6.ポンプのグリップを握れば、給油開始。
満タンになるか料金分給油すれば、自動的に給油が止まってグリップが握れなくなる。
7.コンビニのレジに行って、お釣りをもらう。
このやり方で、これ以降はスンナリ給油することができました。
よかったー! どんなもんだい! もうガソリンスタンドなんか怖くないぜ!
併設のコンビニ大好き!
さあ、再度車に乗り込んで、アマリロの西の外れでルート66の有名スポット「キャデラックランチ」を訪ねます!
畑のど真ん中の地面に突き刺さった10台のキャデラック!
なんだか、バカバカしい光景でいいですよね!
牧場主兼アーティストのStanley Marsh 3(3世、なんですがこう書くんだそうです)が1974年に作った「公共のアート作品」。
訪ねた人には、ぜひスプレーで好きなように落書きしてほしい、ということだそうです。
たまに黒一色とか白一色とかに塗り直されることがあるそうですが、その後また落書きされていって・・・の繰り返し。
この時も、朝なのに多くの家族連れやグループが思い思いにスプレーを吹きつけていました。
アメリカンドリームの象徴であるキャデラックにこういうまぬけな役柄を与えているあたり、やはりアメリカ人の車信仰に対する皮肉、みたいな作品意図があるんでしょうかね?
そういう面はよく解らないんですが、ともかくワタクシはこういうバカバカしさが嫌いではないのです。
これを、考えついて、わざわざやってのけたところがスゴイ!
そして、みんなが楽しそうに落書きをしているのを見て、やはり他の人を楽しませることのできる作品というのはステキだなと思いました。
せっかくなので、ワタクシもそこらに落ちてたスプレー缶を拾って落書きを試みたのですが、なんだかスプレーがこれまでの落書きに負けてしまっていて、全く書いた跡が残らないのです。
やっぱり自分でスプレー缶を買ってくるぐらいの気合いがないと、キャデラックには名前は残せないのですね!
また車に戻って少し走ると、ベガという小さな街に着きました。
人口884人。前日訪ねたマクリーンの街とどっこいですね。
本当に何もない街ですが、給水塔が黄色くて丸くてかわいらしいです。
街の中心部にある「Oldham County Courthouse」がロードサイドアトラクションに指定されていました。
説明文によると、元々のルート66はこの建物の前を通っていて、そこで西へと折れていたんだそうです。
で、そこから西へと通りをたどってみますと、
「OLD ROUTE 66 END」の標識が。
昔のルート66はここで途切れちゃってるんですね。
で、この行き止まりのすぐそばのお家に「ドッツ・ミニミュージアム」があるのだそうです。
個人が趣味で収集したルート66に関する品々を展示しているということで、見てみたいとは思うのですが、たぶん、家の方がいる時に訪ねないと、見ることはできないのでしょう。
車を降りてみますと、建物自体はすぐに見つかりました。
カウボーイがお出迎え!
ロードサイドアトラクション看板も見つかりました。
これがミニミュージアム! でも、やはり扉は閉まっています。
すぐそばのお家が、運営されてる方の家だと思うのですが、さすがに訪ねて行ったりもできません。
その家で飼われていると思われる犬が1匹、遠くから吠えてきました。
しばらくウロウロしてみたのですが、閉まってるものは仕方がありません。
行こうか、と車に向かうと、よその車が「OLD ROUTE 66 END」の標識まで来て停まりました。
しげしげと標識を見ている様子。
たぶん、ワタクシ同様ルート66を旅している方なのでしょう。
やがて、車はワタクシのそばで停まり、中から年輩のご夫婦が降りて来られました。
後で解るのですが、この方々はオーストラリアからご旅行とのこと。
オ夫「ドッツ・ミニミュージアムはどこですか?」
ワ「そこですけど、開いてないみたいです」
オ婦「そう、閉まってるのね」
案内しつつ、ワタクシもドッツまで戻りました。
しばらく3人でいますと、さすがに人気のスポット、すぐに全身黒い革スーツのバイカーカップル、さらに一人で来たらしい紺色Tシャツのアメリカ人、と集まって来ました。
紺Tアメリカ人に
ワ「初めて来たんです」
と言うと、
紺「僕は何度か来てるけど、ここが開いてるのを見たことがないよ」
と言われて、いよいよ諦めました。
自然とワタクシ以外は話し込む格好になりまして、理解が追いつかないワタクシは輪を外れて犬と遊ぶ形に。
犬はまだワンワンと時折吠えていますが、だんだんワタクシ達に興味が出てきた様子。
何とか犬との距離を縮めようと躍起になっていましたら、なんと! 家からミュージアムを管理していると思われる女の人が出てきたじゃありませんか!
女「窓からあなたのシャツが見えて、お客さんがいるって気づいたのよ」
みたいなことを言われます。
ワタクシの派手なアロハが、みんなの役に立った貴重なシーンと言えるでしょう!
女「今ミュージアムを開けるわ。みんなで楽しんで行って。あなたはどこから来たの?」
ワ「東京からです。2日前にオクラホマに着いて、2日間ドライブして、ここに来ました」
狭いミュージアムの中は、ルート66に関連するものもあれば、全く関係ないであろうガラクタもいろいろありましたが、なんだかルート66沿いで生きる方の生活を覗き見るような感じ。
例えばこれなんかは、ベガの食料品店のクリスマスメニューでしょうか?
ルート66との関連性は薄いですが、なんだか意味不明のよさがあります。
おっ、これはエリックで見た「Sand Hills Curiosity Shop」の店主さん達じゃないですか。
66看板を運び込んでますが、何の時の写真なんだろう・・・?
それにしても、お2人とも写真に写るのが上手だなぁ! ワタクシ、軽く嫉妬。
みんなでワイワイ言いながら見学して、外に出て、管理人さんと写真。
見学を終えて、みんな徐々に去っていきます。
まず、バイカーのカップル、次に紺Tアメリカ人。
・・・と、紺Tさんが戻って来て、ワタクシに紙を渡しながら言うのです。
紺「ツクムカリに来たら『ブルースワローモーテル』に寄ってくれ。僕はオーナーなんだ」
もらった紙は「ブルースワローモーテル」のパンフレットで、確かに「Your Host : Nancy & Kevin」と書かれた写真に写っているのは紺Tさんです。
へええ、すごい、モーテルのオーナーさんなんだ。
いや、でもね、ケヴィン、それはダメなんですよ。
残念ですがね、ワタクシはツクムカリでは、もう泊まるモーテルを決めているのですよ。
ルート66のことを知り始めたワタクシが、
「うわー、ここに行きたーい!」
と叫んだ写真。
それに映っていたのが、ルート66の中でも最も有名なモーテル「ブルースワローモーテル」のステキなネオンサインだったのですよ。
だから、ワタクシはそこに泊まらなきゃいけないんですよ。
だから、ケヴィン、あなたのモーテルには泊まれないんですよ。
でも、惜しかったですね。名前は似てるんですよね。
ケヴィンのモーテルが「ブルースワローモーテル」、ワタクシの泊まりたいのが「ブルースワローモーテル」。
ねー。ホント惜しいとこまで行ってるんですよ。
「ブルースワロー」と「ブルースワロー」ですもんね。
・・・。
・・・えーと、あのー、もしかして、ケヴィンはあの「ブルースワローモーテル」のオーナーさん・・・?
うおおお! スゴイ! 絶対行く!
泊めて泊めて泊めて泊めて泊めて!!
ようやく事の重大さに気づいてワタクシが興奮した時には、ケヴィンは爽やかに去っていたのでした。
言われるまでもない! 絶対行くぞ「ブルースワローモーテル」!!
オーストラリア夫婦もドッツを去るということで、同じタイミングでワタクシも車に向かうことにしました。
すばらしい偶然が重なって、ドッツミュージアムも見学できたし、「ブルースワローモーテル」のオーナーにも会えた、ベガの街。
今回はドライブが中心の一人旅ですので、誰かとの出会いというのは、まずないだろうと思っていましたが、ワタクシは本当にラッキーだったと思います。
オーストラリア夫婦に、
「See you next time!」
と叫んで、カローラのハンドルを握ると、今さらながら幸せな気持ちがゆっくりと胸に湧き上がって来たのでした。
続きましては、エイドリアンというこれまた小さな街。
ここは、シカゴからロサンゼルスまで続くルート66全線の中間点がある場所として有名なのです。
で、この看板のすぐ向かいにあるのが、
その名も「ミッド・ポイント・カフェ」!
看板にあるように「アグリークラスト・パイ」というパイが美味しいので有名だそうです!
ちょうどお昼になりましたし、昼ご飯を食べましょう。
ところで、中間点看板で写真を撮ってましたら、先ほどベガで別れたばかりのバイカーカップルが看板へとやって来ました!
なんかおかしくてお互い笑いながら、カメラのシャッターを切ったり切られたり。
ルート66の観光は、見るべきポイントがみんな同じですので、一度会った人とその後何度も会うとは聞いていましたが、早速!
さらに「ミッド・ポイント・カフェ」に入ってみますと、オーストラリア夫婦にケヴィンまでがいて、
ワ「ハロー、エヴリワン!」
もう大笑い!
店内はモチロン、ルート66一色で、ギフトショップも併設されています。
いかにもボブって感じの青年のウェイターさんが、来てくれましたので、
ワ「テキサスサイズ・バーガーとアイスティ。で、その後、有名な『アグリー・クラスト・パイ』が食べたい」
と注文。
「Your World Famous」のところで、ボブにちょっと笑われました。
テキサスサイズ・バーガー!
あ、前日のサンドイッチの時と同じポテトチップがまたついてきましたね。
パイはココナツクリームのにしました。
甘さがキツ過ぎず、美味しかったのです!
ケヴィンが店を出る時に、
ワ「今日、ブルースワローに泊まりたいです」
と訴えますと、
K「たぶん、部屋はあるはずさ。待ってるよ!」
と言われて大喜び!
食べ終わってからギフトショップを見て回ります。
お店の外などで「ミッド・ポイント・ルート66」と書かれたカッコいいステッカーが貼られているのを見たのですが、そのデザインが売っていません。
ありゃりゃ、と思いつつも、違うステッカーを買うことにして、レジでお勘定。
一度、お釣りを全部受取ってしまいましたので、その中からチップとして数ドルをボブに渡して、
ワ「This is for you」
と言うと、
ボ「Thank you! Then , this is for you!」
と、レジからワタクシの欲しかったカッコいいステッカーを取り出して、ワタクシにくれました。
やった! こうやって手に入れるのか!
なんだか、ゲームでレアアイテムを手に入れたような気分。
次に訪ねたのは、テキサス州とニューメキシコ州の境の街・グレンリオ。
ここはもう、ゴーストタウンみたいになっているんですが、そんな中のモーテルの廃墟を見に行ったのでした。
もはや看板もボロボロですが、これはどうも「MOTEL/CAFE FIRST STOP IN TEXAS」と書いてあったんじゃないでしょうか。
つまり「テキサス最初のモーテル/カフェ」ってことで、看板の裏側は当然「LAST STOP IN TEXAS」になっていたと思われるわけですね。
モーテルの近くにバレンタイン・ダイナーがありました!
なんでしょうね、こういう箱型の小さい建物のかわいらしさというのは・・・。
さあ、これでテキサス州が終わりとなって、今度はニューメキシコ州に入っていくことになります。
あ、ところで、ここで時差が1時間生じるんですよね・・・?
東から西へ進んでいますので、時計を1時間遅らせることになるわけです。
おお、とすると、なんだか1時間得した気分。
旅にも余裕が出る気がしますね。
さあ、ケヴィンとも約束したんだし、今日は何としてもツクムカリまで行くぞ!
<つづく>
まずは、アマリロの街中でガソリンを入れます。
エルクシティでの失敗を繰り返すまじ!
今回からは現金で支払うのだ! あの時はカードが認識されなかったのが全部悪いんだ!
●よくわかる現金での給油のしかた
1.車をポンプの前に停める。ポンプには番号がふってあるので、それを覚えておく。
2.併設のコンビニのレジに向かう。
3.店員さんにお金を支払う。車を止めたのが5番ポンプで、30ドル分給油したいなら、
「30 dollars on number 5 , please」
みたいに言えばOK。
4.ポンプに戻って、車の給油口を開け、ポンプのノズルを給油口に差し込む。
5.ガソリンの種類を選択。
ハイオクとかもあるけど、ワタクシはメンドクサイので常にレギュラー。
6.ポンプのグリップを握れば、給油開始。
満タンになるか料金分給油すれば、自動的に給油が止まってグリップが握れなくなる。
7.コンビニのレジに行って、お釣りをもらう。
このやり方で、これ以降はスンナリ給油することができました。
よかったー! どんなもんだい! もうガソリンスタンドなんか怖くないぜ!
併設のコンビニ大好き!
さあ、再度車に乗り込んで、アマリロの西の外れでルート66の有名スポット「キャデラックランチ」を訪ねます!
畑のど真ん中の地面に突き刺さった10台のキャデラック!
なんだか、バカバカしい光景でいいですよね!
牧場主兼アーティストのStanley Marsh 3(3世、なんですがこう書くんだそうです)が1974年に作った「公共のアート作品」。
訪ねた人には、ぜひスプレーで好きなように落書きしてほしい、ということだそうです。
たまに黒一色とか白一色とかに塗り直されることがあるそうですが、その後また落書きされていって・・・の繰り返し。
この時も、朝なのに多くの家族連れやグループが思い思いにスプレーを吹きつけていました。
アメリカンドリームの象徴であるキャデラックにこういうまぬけな役柄を与えているあたり、やはりアメリカ人の車信仰に対する皮肉、みたいな作品意図があるんでしょうかね?
そういう面はよく解らないんですが、ともかくワタクシはこういうバカバカしさが嫌いではないのです。
これを、考えついて、わざわざやってのけたところがスゴイ!
そして、みんなが楽しそうに落書きをしているのを見て、やはり他の人を楽しませることのできる作品というのはステキだなと思いました。
せっかくなので、ワタクシもそこらに落ちてたスプレー缶を拾って落書きを試みたのですが、なんだかスプレーがこれまでの落書きに負けてしまっていて、全く書いた跡が残らないのです。
やっぱり自分でスプレー缶を買ってくるぐらいの気合いがないと、キャデラックには名前は残せないのですね!
また車に戻って少し走ると、ベガという小さな街に着きました。
人口884人。前日訪ねたマクリーンの街とどっこいですね。
本当に何もない街ですが、給水塔が黄色くて丸くてかわいらしいです。
街の中心部にある「Oldham County Courthouse」がロードサイドアトラクションに指定されていました。
説明文によると、元々のルート66はこの建物の前を通っていて、そこで西へと折れていたんだそうです。
で、そこから西へと通りをたどってみますと、
「OLD ROUTE 66 END」の標識が。
昔のルート66はここで途切れちゃってるんですね。
で、この行き止まりのすぐそばのお家に「ドッツ・ミニミュージアム」があるのだそうです。
個人が趣味で収集したルート66に関する品々を展示しているということで、見てみたいとは思うのですが、たぶん、家の方がいる時に訪ねないと、見ることはできないのでしょう。
車を降りてみますと、建物自体はすぐに見つかりました。
カウボーイがお出迎え!
ロードサイドアトラクション看板も見つかりました。
これがミニミュージアム! でも、やはり扉は閉まっています。
すぐそばのお家が、運営されてる方の家だと思うのですが、さすがに訪ねて行ったりもできません。
その家で飼われていると思われる犬が1匹、遠くから吠えてきました。
しばらくウロウロしてみたのですが、閉まってるものは仕方がありません。
行こうか、と車に向かうと、よその車が「OLD ROUTE 66 END」の標識まで来て停まりました。
しげしげと標識を見ている様子。
たぶん、ワタクシ同様ルート66を旅している方なのでしょう。
やがて、車はワタクシのそばで停まり、中から年輩のご夫婦が降りて来られました。
後で解るのですが、この方々はオーストラリアからご旅行とのこと。
オ夫「ドッツ・ミニミュージアムはどこですか?」
ワ「そこですけど、開いてないみたいです」
オ婦「そう、閉まってるのね」
案内しつつ、ワタクシもドッツまで戻りました。
しばらく3人でいますと、さすがに人気のスポット、すぐに全身黒い革スーツのバイカーカップル、さらに一人で来たらしい紺色Tシャツのアメリカ人、と集まって来ました。
紺Tアメリカ人に
ワ「初めて来たんです」
と言うと、
紺「僕は何度か来てるけど、ここが開いてるのを見たことがないよ」
と言われて、いよいよ諦めました。
自然とワタクシ以外は話し込む格好になりまして、理解が追いつかないワタクシは輪を外れて犬と遊ぶ形に。
犬はまだワンワンと時折吠えていますが、だんだんワタクシ達に興味が出てきた様子。
何とか犬との距離を縮めようと躍起になっていましたら、なんと! 家からミュージアムを管理していると思われる女の人が出てきたじゃありませんか!
女「窓からあなたのシャツが見えて、お客さんがいるって気づいたのよ」
みたいなことを言われます。
ワタクシの派手なアロハが、みんなの役に立った貴重なシーンと言えるでしょう!
女「今ミュージアムを開けるわ。みんなで楽しんで行って。あなたはどこから来たの?」
ワ「東京からです。2日前にオクラホマに着いて、2日間ドライブして、ここに来ました」
狭いミュージアムの中は、ルート66に関連するものもあれば、全く関係ないであろうガラクタもいろいろありましたが、なんだかルート66沿いで生きる方の生活を覗き見るような感じ。
例えばこれなんかは、ベガの食料品店のクリスマスメニューでしょうか?
ルート66との関連性は薄いですが、なんだか意味不明のよさがあります。
おっ、これはエリックで見た「Sand Hills Curiosity Shop」の店主さん達じゃないですか。
66看板を運び込んでますが、何の時の写真なんだろう・・・?
それにしても、お2人とも写真に写るのが上手だなぁ! ワタクシ、軽く嫉妬。
みんなでワイワイ言いながら見学して、外に出て、管理人さんと写真。
見学を終えて、みんな徐々に去っていきます。
まず、バイカーのカップル、次に紺Tアメリカ人。
・・・と、紺Tさんが戻って来て、ワタクシに紙を渡しながら言うのです。
紺「ツクムカリに来たら『ブルースワローモーテル』に寄ってくれ。僕はオーナーなんだ」
もらった紙は「ブルースワローモーテル」のパンフレットで、確かに「Your Host : Nancy & Kevin」と書かれた写真に写っているのは紺Tさんです。
へええ、すごい、モーテルのオーナーさんなんだ。
いや、でもね、ケヴィン、それはダメなんですよ。
残念ですがね、ワタクシはツクムカリでは、もう泊まるモーテルを決めているのですよ。
ルート66のことを知り始めたワタクシが、
「うわー、ここに行きたーい!」
と叫んだ写真。
それに映っていたのが、ルート66の中でも最も有名なモーテル「ブルースワローモーテル」のステキなネオンサインだったのですよ。
だから、ワタクシはそこに泊まらなきゃいけないんですよ。
だから、ケヴィン、あなたのモーテルには泊まれないんですよ。
でも、惜しかったですね。名前は似てるんですよね。
ケヴィンのモーテルが「ブルースワローモーテル」、ワタクシの泊まりたいのが「ブルースワローモーテル」。
ねー。ホント惜しいとこまで行ってるんですよ。
「ブルースワロー」と「ブルースワロー」ですもんね。
・・・。
・・・えーと、あのー、もしかして、ケヴィンはあの「ブルースワローモーテル」のオーナーさん・・・?
うおおお! スゴイ! 絶対行く!
泊めて泊めて泊めて泊めて泊めて!!
ようやく事の重大さに気づいてワタクシが興奮した時には、ケヴィンは爽やかに去っていたのでした。
言われるまでもない! 絶対行くぞ「ブルースワローモーテル」!!
オーストラリア夫婦もドッツを去るということで、同じタイミングでワタクシも車に向かうことにしました。
すばらしい偶然が重なって、ドッツミュージアムも見学できたし、「ブルースワローモーテル」のオーナーにも会えた、ベガの街。
今回はドライブが中心の一人旅ですので、誰かとの出会いというのは、まずないだろうと思っていましたが、ワタクシは本当にラッキーだったと思います。
オーストラリア夫婦に、
「See you next time!」
と叫んで、カローラのハンドルを握ると、今さらながら幸せな気持ちがゆっくりと胸に湧き上がって来たのでした。
続きましては、エイドリアンというこれまた小さな街。
ここは、シカゴからロサンゼルスまで続くルート66全線の中間点がある場所として有名なのです。
で、この看板のすぐ向かいにあるのが、
その名も「ミッド・ポイント・カフェ」!
看板にあるように「アグリークラスト・パイ」というパイが美味しいので有名だそうです!
ちょうどお昼になりましたし、昼ご飯を食べましょう。
ところで、中間点看板で写真を撮ってましたら、先ほどベガで別れたばかりのバイカーカップルが看板へとやって来ました!
なんかおかしくてお互い笑いながら、カメラのシャッターを切ったり切られたり。
ルート66の観光は、見るべきポイントがみんな同じですので、一度会った人とその後何度も会うとは聞いていましたが、早速!
さらに「ミッド・ポイント・カフェ」に入ってみますと、オーストラリア夫婦にケヴィンまでがいて、
ワ「ハロー、エヴリワン!」
もう大笑い!
店内はモチロン、ルート66一色で、ギフトショップも併設されています。
いかにもボブって感じの青年のウェイターさんが、来てくれましたので、
ワ「テキサスサイズ・バーガーとアイスティ。で、その後、有名な『アグリー・クラスト・パイ』が食べたい」
と注文。
「Your World Famous」のところで、ボブにちょっと笑われました。
テキサスサイズ・バーガー!
あ、前日のサンドイッチの時と同じポテトチップがまたついてきましたね。
パイはココナツクリームのにしました。
甘さがキツ過ぎず、美味しかったのです!
ケヴィンが店を出る時に、
ワ「今日、ブルースワローに泊まりたいです」
と訴えますと、
K「たぶん、部屋はあるはずさ。待ってるよ!」
と言われて大喜び!
食べ終わってからギフトショップを見て回ります。
お店の外などで「ミッド・ポイント・ルート66」と書かれたカッコいいステッカーが貼られているのを見たのですが、そのデザインが売っていません。
ありゃりゃ、と思いつつも、違うステッカーを買うことにして、レジでお勘定。
一度、お釣りを全部受取ってしまいましたので、その中からチップとして数ドルをボブに渡して、
ワ「This is for you」
と言うと、
ボ「Thank you! Then , this is for you!」
と、レジからワタクシの欲しかったカッコいいステッカーを取り出して、ワタクシにくれました。
やった! こうやって手に入れるのか!
なんだか、ゲームでレアアイテムを手に入れたような気分。
次に訪ねたのは、テキサス州とニューメキシコ州の境の街・グレンリオ。
ここはもう、ゴーストタウンみたいになっているんですが、そんな中のモーテルの廃墟を見に行ったのでした。
もはや看板もボロボロですが、これはどうも「MOTEL/CAFE FIRST STOP IN TEXAS」と書いてあったんじゃないでしょうか。
つまり「テキサス最初のモーテル/カフェ」ってことで、看板の裏側は当然「LAST STOP IN TEXAS」になっていたと思われるわけですね。
モーテルの近くにバレンタイン・ダイナーがありました!
なんでしょうね、こういう箱型の小さい建物のかわいらしさというのは・・・。
さあ、これでテキサス州が終わりとなって、今度はニューメキシコ州に入っていくことになります。
あ、ところで、ここで時差が1時間生じるんですよね・・・?
東から西へ進んでいますので、時計を1時間遅らせることになるわけです。
おお、とすると、なんだか1時間得した気分。
旅にも余裕が出る気がしますね。
さあ、ケヴィンとも約束したんだし、今日は何としてもツクムカリまで行くぞ!
<つづく>