オートマンを出ますと、ずっと道は下り坂。
これを下りきったところで、久々にI-40に合流しました。
I-40に乗るとすぐに橋がありました。
映画「イージーライダー」では、主人公の2人がこの橋をハーレーで渡るという有名なシーンがあるそうですが、例によってワタクシは見ておりません!
この橋を渡りますと、いよいよカリフォルニア州に突入です!
「怒りの葡萄」でジョード一家が夢見た土地、カリフォルニア。
州のニックネームも「The Golden State」というくらい、昔から豊かな土地として知られていたのですね。
乗ったばかりのI-40をすぐに降りまして、来た道を戻るようにしばらく走りますと、先ほど渡った橋のすぐ近くに、
こんなステキな看板が!
これも写真で見ていたものですが、どこにあるのか解らず、Googleストリートビューで散々探し回ってやっと見つけた時はうれしかったものです。
今はもう、右へ曲がる道も、次の出口もなくて、細い田舎道の脇にあります。
ちょうどこの看板のすぐそばで工事中で、細い道は看板のところで行き止まりになっていました。
工事現場で働く人たち3人くらいが、看板のすぐそばにいまして、
ワ「怒られたらイヤだな」
と思いつつ、結構長々と看板の写真を撮って遊んでいたのですが、去り際に軽く手を上げて挨拶しますと、みんないい笑顔で返してくれました。
I-40に戻って、ニードルスの街を目指して走っていますと、料金所みたいなのが現れました。
フリーウェイなので、料金は必要ないはずなんだけど・・・と思いながら見ていると、ゲートで停まった車の運転手は、係の人から何事か質問をされている感じ。
こっちは「怒りの葡萄」読んできてますから、ピーンと来ました。
あの小説では、豊かなカリフォルニアを目指して、地方からあまりにも多くの人が流入してきたもんだから、検問を設けて入れないようにしていたと書かれていました
「お前ら、オーキー(オクラホマの人をバカにした表現)どもを、ここから先には入らせねえ」
「頼みますだよ、旦那。おれ達はここで仕事が欲しいだけなんでさ」
「ダメだ、出て行け!」
みたいなシーンが頭に残っています。
ワタクシはオクラホマシティからやって来てますので、気分は今やすっかり「怒りの葡萄」の主人公トム・ジョード。
これは、おれ達みたいなオーキーをカリフォルニアへ入れないための検問なんだ!
くそ、負けてたまるか!
・・・しかし、一方、英語でややこしい話をされちゃったら、サッパリ理解できません。
あいまいに笑って応対しているうちに、いつしかマズい事態に・・・なんて展開も予想できます。
うーん、とりあえず、悪いことはしてません、ってアピールのために、愛想良くすべきか・・・。
などと、作戦を練っているうちにワタクシの番に。
ワ「ハロー!」
まずは先手を打って、こちらから挨拶。
係「どこから来た?」
ワ「日本の東京から」
と答えると、爆笑されました。
どうやら「今日はどちらから?」的な質問だったようですね。
それに「東京から」と答えたので、彼はたぶんワタクシがこのカローラを背負って太平洋を泳いでいるところでも想像したのでしょう。
係「~~~~フルーツ~~~~?」
長くてややこしい疑問分の中で「フルーツ」の一単語しか聞き取れなかったのですが、こちらもさすがにもうアメリカに1週間以上いる身です。
これはどうやら、果物の持ち込みを規制する検問なんだとようやく気づきました。
ワ「いいえ! 果物は持ってません!」
と答えて、無事に解放されました。
ややこしいことにならなくてよかった・・・。
もうしばらく行くと、目的地のニードルスに着きました。
ニードルスにも「66モーテル」はあるのです!
この看板も、象徴的な美しさから、ルート66関連の本ではよく目にするものです。
モーテルはもう廃業しているということでしたが、建物はキレイに残っていました。
翌朝もう一度写真を撮りに行った時の1枚。
泊まったのは、お値段が安そうと目をつけていたコチラ。
「インペリアル400モーターイン」です。
こちらは確かに、35ドルとこの旅最安値だったのですが・・・。
何だかいろいろと恐ろしい・・・。
<動画>
ちょっと怖いので、街をブラブラしにでかけました。
ニードルスの駅が、ロードサイドアトラクションに指定されていました。
昔はホテルやレストランもあって、それなりに賑わったようですが、今はほとんど人影も見られません。
さて、この後もずいぶんウロウロしてみたのですが、このウロウロはずいぶんキツかったのです。
まず、カリフォルニアに入ったからなのかどうなのか、夕陽が殺人的な光線をギラギラと浴びせかけて来まして、ワタクシ、普段は撮影以外ではかけないあのバカなサングラスを思わずかけたくらい。
本当に、あれがなかったら、まぶしくてやられてましたね。
喉が渇くのは、もうアメリカに着いてからずっとですが、ここではとうとう酒屋さんで1リットルの水のペットボトルを
「このくらい飲むだろう」
ってことで、何気なく購入してしまいました。
確実に何かが狂い始めています。
でも、実際にウロウロしながら1リットルなんかすぐに飲んじゃいましたからねえ・・・。
そして、歩けども歩けども住宅地ばっかりで、いわゆる繁華街的な、遊びのお店とかのある街の賑わいってのが、全く出てこなかったのです。
モーテルのすぐ向かいに「バーガーハット」という、晩ご飯に狙っていたハンバーガー屋さんがあるのですが、そもそもお店なんてのがそのぐらい。
へとへとに疲れて、モーテルに戻って車で出直しましたが、どこまで行っても楽しそうな街並みってのが見えてこないのです。
どういう街なんだ、ここは!
ニードルスの人は、どこへ遊びに行くの・・・?
心身ともにくたびれてモーテルに戻って来まして、晩ご飯で「バーガーハット」に。
コチラもルート66トラベラーには有名なお店のようですが、ブロック造りでなんだかハワイの田舎にあるみたいな素朴なお店。
いつもなら、こういうのが好きなワタクシのはずですが、くたびれているせいか、どうもイヤな雰囲気に思えてしまいます。
周りに明るいネオンのお店もないので、外は真っ暗。
いちばん最初に目についた「ベーコンエッグバーガー」を注文して、付け合わせにポテトは嫌だし・・・とメニューを見るとマッシュルームを見つけてそれを注文。
てっきりスライスとかしてあって、淡白な味で食べるものかと思ってましたが、出てきてビックリ。
マッシュルームを揚げちゃうのか!
いやぁ、ここに至ってもまだ、ワタクシはアメリカをナメていたようですね・・・。
胃袋もアブラアブラしちゃって、ほうほうの体でモーテルの部屋に戻ります。
もういい、部屋でテレビでも見て過ごそう。
この旅の間中、モーテルのテレビでは、ずっとメジャーリーグのダイジェスト番組を見て過ごしていました。
ボビー・バレンタインが解説者で出演していて、懐かしかったのです。
それを見ようと、テレビのチャンネルを回しますが・・・おかしなことに、野球が出てきません。
そんなバカな。
ナショナル・パスタイムだろ? 国民の娯楽だろ?
なんで野球のチャンネルがないなんてことがあるんだよ?
・・・なんか、あれですか?
ニードルスでは、すべての娯楽が禁止されていたりするんでしょうか・・・?
ただでさえ、夜はネオン狩りくらいしかすることがない旅でして、持て余すことが多かったのですが、こんなにキビシイ夜を迎えたのは初めてでした。
もう! もういい!
こんな日はとっとと寝てやるんだ!
夜が明けたら、すぐにこんな街はオサラバしてやる!
午後9時過ぎくらいにベッドに入りまして、翌朝は早起き、逃げるようにニードルスの街を去るワタクシでした。
本当に、何だったんだ、あの街は・・・!?
<つづく>
これを下りきったところで、久々にI-40に合流しました。
I-40に乗るとすぐに橋がありました。
映画「イージーライダー」では、主人公の2人がこの橋をハーレーで渡るという有名なシーンがあるそうですが、例によってワタクシは見ておりません!
この橋を渡りますと、いよいよカリフォルニア州に突入です!
「怒りの葡萄」でジョード一家が夢見た土地、カリフォルニア。
州のニックネームも「The Golden State」というくらい、昔から豊かな土地として知られていたのですね。
乗ったばかりのI-40をすぐに降りまして、来た道を戻るようにしばらく走りますと、先ほど渡った橋のすぐ近くに、
こんなステキな看板が!
これも写真で見ていたものですが、どこにあるのか解らず、Googleストリートビューで散々探し回ってやっと見つけた時はうれしかったものです。
今はもう、右へ曲がる道も、次の出口もなくて、細い田舎道の脇にあります。
ちょうどこの看板のすぐそばで工事中で、細い道は看板のところで行き止まりになっていました。
工事現場で働く人たち3人くらいが、看板のすぐそばにいまして、
ワ「怒られたらイヤだな」
と思いつつ、結構長々と看板の写真を撮って遊んでいたのですが、去り際に軽く手を上げて挨拶しますと、みんないい笑顔で返してくれました。
I-40に戻って、ニードルスの街を目指して走っていますと、料金所みたいなのが現れました。
フリーウェイなので、料金は必要ないはずなんだけど・・・と思いながら見ていると、ゲートで停まった車の運転手は、係の人から何事か質問をされている感じ。
こっちは「怒りの葡萄」読んできてますから、ピーンと来ました。
あの小説では、豊かなカリフォルニアを目指して、地方からあまりにも多くの人が流入してきたもんだから、検問を設けて入れないようにしていたと書かれていました
「お前ら、オーキー(オクラホマの人をバカにした表現)どもを、ここから先には入らせねえ」
「頼みますだよ、旦那。おれ達はここで仕事が欲しいだけなんでさ」
「ダメだ、出て行け!」
みたいなシーンが頭に残っています。
ワタクシはオクラホマシティからやって来てますので、気分は今やすっかり「怒りの葡萄」の主人公トム・ジョード。
これは、おれ達みたいなオーキーをカリフォルニアへ入れないための検問なんだ!
くそ、負けてたまるか!
・・・しかし、一方、英語でややこしい話をされちゃったら、サッパリ理解できません。
あいまいに笑って応対しているうちに、いつしかマズい事態に・・・なんて展開も予想できます。
うーん、とりあえず、悪いことはしてません、ってアピールのために、愛想良くすべきか・・・。
などと、作戦を練っているうちにワタクシの番に。
ワ「ハロー!」
まずは先手を打って、こちらから挨拶。
係「どこから来た?」
ワ「日本の東京から」
と答えると、爆笑されました。
どうやら「今日はどちらから?」的な質問だったようですね。
それに「東京から」と答えたので、彼はたぶんワタクシがこのカローラを背負って太平洋を泳いでいるところでも想像したのでしょう。
係「~~~~フルーツ~~~~?」
長くてややこしい疑問分の中で「フルーツ」の一単語しか聞き取れなかったのですが、こちらもさすがにもうアメリカに1週間以上いる身です。
これはどうやら、果物の持ち込みを規制する検問なんだとようやく気づきました。
ワ「いいえ! 果物は持ってません!」
と答えて、無事に解放されました。
ややこしいことにならなくてよかった・・・。
もうしばらく行くと、目的地のニードルスに着きました。
ニードルスにも「66モーテル」はあるのです!
この看板も、象徴的な美しさから、ルート66関連の本ではよく目にするものです。
モーテルはもう廃業しているということでしたが、建物はキレイに残っていました。
翌朝もう一度写真を撮りに行った時の1枚。
泊まったのは、お値段が安そうと目をつけていたコチラ。
「インペリアル400モーターイン」です。
こちらは確かに、35ドルとこの旅最安値だったのですが・・・。
何だかいろいろと恐ろしい・・・。
<動画>
ちょっと怖いので、街をブラブラしにでかけました。
ニードルスの駅が、ロードサイドアトラクションに指定されていました。
昔はホテルやレストランもあって、それなりに賑わったようですが、今はほとんど人影も見られません。
さて、この後もずいぶんウロウロしてみたのですが、このウロウロはずいぶんキツかったのです。
まず、カリフォルニアに入ったからなのかどうなのか、夕陽が殺人的な光線をギラギラと浴びせかけて来まして、ワタクシ、普段は撮影以外ではかけないあのバカなサングラスを思わずかけたくらい。
本当に、あれがなかったら、まぶしくてやられてましたね。
喉が渇くのは、もうアメリカに着いてからずっとですが、ここではとうとう酒屋さんで1リットルの水のペットボトルを
「このくらい飲むだろう」
ってことで、何気なく購入してしまいました。
確実に何かが狂い始めています。
でも、実際にウロウロしながら1リットルなんかすぐに飲んじゃいましたからねえ・・・。
そして、歩けども歩けども住宅地ばっかりで、いわゆる繁華街的な、遊びのお店とかのある街の賑わいってのが、全く出てこなかったのです。
モーテルのすぐ向かいに「バーガーハット」という、晩ご飯に狙っていたハンバーガー屋さんがあるのですが、そもそもお店なんてのがそのぐらい。
へとへとに疲れて、モーテルに戻って車で出直しましたが、どこまで行っても楽しそうな街並みってのが見えてこないのです。
どういう街なんだ、ここは!
ニードルスの人は、どこへ遊びに行くの・・・?
心身ともにくたびれてモーテルに戻って来まして、晩ご飯で「バーガーハット」に。
コチラもルート66トラベラーには有名なお店のようですが、ブロック造りでなんだかハワイの田舎にあるみたいな素朴なお店。
いつもなら、こういうのが好きなワタクシのはずですが、くたびれているせいか、どうもイヤな雰囲気に思えてしまいます。
周りに明るいネオンのお店もないので、外は真っ暗。
いちばん最初に目についた「ベーコンエッグバーガー」を注文して、付け合わせにポテトは嫌だし・・・とメニューを見るとマッシュルームを見つけてそれを注文。
てっきりスライスとかしてあって、淡白な味で食べるものかと思ってましたが、出てきてビックリ。
マッシュルームを揚げちゃうのか!
いやぁ、ここに至ってもまだ、ワタクシはアメリカをナメていたようですね・・・。
胃袋もアブラアブラしちゃって、ほうほうの体でモーテルの部屋に戻ります。
もういい、部屋でテレビでも見て過ごそう。
この旅の間中、モーテルのテレビでは、ずっとメジャーリーグのダイジェスト番組を見て過ごしていました。
ボビー・バレンタインが解説者で出演していて、懐かしかったのです。
それを見ようと、テレビのチャンネルを回しますが・・・おかしなことに、野球が出てきません。
そんなバカな。
ナショナル・パスタイムだろ? 国民の娯楽だろ?
なんで野球のチャンネルがないなんてことがあるんだよ?
・・・なんか、あれですか?
ニードルスでは、すべての娯楽が禁止されていたりするんでしょうか・・・?
ただでさえ、夜はネオン狩りくらいしかすることがない旅でして、持て余すことが多かったのですが、こんなにキビシイ夜を迎えたのは初めてでした。
もう! もういい!
こんな日はとっとと寝てやるんだ!
夜が明けたら、すぐにこんな街はオサラバしてやる!
午後9時過ぎくらいにベッドに入りまして、翌朝は早起き、逃げるようにニードルスの街を去るワタクシでした。
本当に、何だったんだ、あの街は・・・!?
<つづく>