さて、ネバダ州を一周する、というよく解らない企画が今回のメインとなるわけですが、ネバダっつーのは、一体どういうところなのか?
ワタクシが事前に持っていたイメージは、ギャンブルと砂漠、という単純なものでしたが、旅を終えた今考えても、それは全く間違っていなかったと言えます。
ネバダはギャンブルと砂漠だけの州、と言い切っていいでしょう!(いいのか?)
何と言っても、ネバダ州と言えばラスベガス。
言うまでもないカジノの都、大歓楽街ですが、もうひとつ、ネバダにはリノという、これまたカジノで有名な街もあるのですね。
そして、とにかく、それだけじゃなくて、ネバダ州のあちこちに点在する小さな田舎街にも、ことごとくカジノがあるのです。
もう、ホント、駅前のパチンコ屋みたいな奴が、どんな街にもあるのでした。
で、街と街の間は、全部砂漠です。
ひたすら何もない大平原を、道路だけが一直線に貫いているのです。
もうひとつ、気になるデータとしては、犯罪率の高さがあります。
アメリカで最も危険な州と評されたこともあり、2006年の犯罪率は全国平均より24%も高かったそうなのです。
これは、ヤバいなぁ、と思ったのですが、どうもこれまでルート66を旅した経験で言いますと、アメリカの田舎街では、まず本当に人と会いません。
アメリカは日本と違うんだし、ゆめ油断すまいぞ、と思っていたのですが、あまりにも人と会わなくて警戒のしようがないのですね。
どうも犯罪というのは、やっぱり人口の多い街中で、治安の悪い地域があって、その辺で行われているみたいなのですよ。
じゃあ、そういう地域に近づかないのが一番で、その他にはちょっと警戒の方法を考えつきません。
それに、ネバダ第一の都市、ラスベガスにおいては、カジノに必ず警備員さんがいるので、危ないことがあったらカジノに駆け込め、と言われてますし、そもそも観光都市なので治安が悪い印象があるとダメージになるということで、実にその辺り気をつけてる街なのですね。
ひょっとして犯罪率ってのも、ネバダは田舎州で人口が少ないところが多いので、他の州と同じ件数犯罪が起こっていても、人口比率だと高くなってしまうのではないでしょうか? 違うんでしょうか?
結局犯罪対策的なことについては、まぁ、あんまり構えるのもなんだなぁ、という全く無策の状態で乗り込むことになりました。
で、ワタクシはどうして今回、そんなネバダを一周しようと思ったのか。
これまでルート66を旅してまして、前々回がオクラホマシティからカリフォルニアのバーストーまで、前回がシカゴからオクラホマシティまでと、2回でほぼルート66全線を踏破したわけなんですよ。
後に残ったバーストーからロサンゼルスまでの部分というのは、距離的にも短くてひとつの旅のテーマとするには心もとないのですね。
そして、去年以降、ワタクシの頭の中では「ルート66以外のアメリカ」というものが盛り上がって来ていたのです。
ルート66は、ワタクシがこんなにアメリカファンになる玄関口となったわけなんですが、モチロンそれだけがアメリカじゃない。
その他の部分にも、ワタクシがぜひ見たいアメリカ的なものはいろいろとあるはずで、しかし、どこにどういうものがあって、どう旅をすればいいのかのキッカケが全くないのです。
思えばルート66の旅というのは、その辺が恵まれてましたよね。
一本の道をただ進めば、次々に街が現れて、それらがいずれもルート66のテーマパークみたいなものだったのですから。
ワタクシの見たいものがタイトに詰まってて、効率よく見て回れる(なにせ、いくらでも休みがとれるってわけではないですし)コースというのを、自分で見つけなければいけないわけなのです。
あれこれ考えつつ、Google Mapなどでいろいろ見ているうちに、浮かんできたのがネバダということで、まず、ネバダにはカジノがある。
ギャンブルで遊べる、というのはモチロンですが、カジノは娯楽施設なので、楽しい看板やネオンが期待できるというのが、それより大きな理由なのでした。
田舎街でも必ずカジノがあって、その周辺にはモーテルやレストランがたくさんあって、これまた看板がステキ。
街を訪ねる人も、ほぼ必ず遊びに来ているわけなので、雰囲気も楽しそう。
そういうところで、ああ、これはいいかな、と思って、集中的にネバダを調べ始めますと、またちょっと毛色の違う魅力がいろいろと出て来まして、この辺の段階で、ううむ、こりゃ、ネバダ、楽しいかも、と思ったのでした。
さあ、明けて2日目は、いよいよそんなネバダ一周の旅に乗り出すということで、実質的にはこの日が初日みたいな気分ですね。
朝7時にラスベガスを出発!
I-15という高速道路で、ラスベガスから北上しまして、でもわりとすぐに出口を降りて、国道93号線を進みます。
これが、いきなりもう、大平原に一直線の道、周りは何もない砂漠、という風景で、早くもアメリカの田舎の実力をまざまざと!
途中にあったアラモという街で、これだけは絶対忘れちゃいけない給油を行います。
なにせ、この後の道路には、ガソリンスタンドも全くないとかですので、ここで絶対に満タンにしなければいけないのですね。
シンクレアというガソリンスタンドは、緑色の恐竜がシンボルですが、その像があったので写真。
この日午前中は「よい子」Tシャツに「SweeTarts」アロハ。
さらに進みますと、本日午前中のハイライト「宇宙人高速道路」こと「Extraterrestrial Highway」ネバダ州道375号というのに入って行くのです。
「Extraterrestrial」ってのは、ほら、映画で「E.T」ってありましたけど、あれの正式名称で、つまり宇宙人のこと。
この道路をしばらく行った先の方に「エリア51」という米軍基地がありまして、ここでは米軍の航空機のテストを行っているようなのですが、もうひとつ、アメリカ市民の噂話では、宇宙やUFOに関する研究を行っていると言われているのですね。
1947年7月にロズウェル事件というのがありまして、これはニューメキシコ州のロズウェルという街にUFOが墜落したとされている事件なのですが、この時にUFOがエリア51に運び込まれたと言われているのです。
エリア51には、今も宇宙人がいて、宇宙関係の研究開発を地球人と共同で行っているのだとか!
実際にこの「ETハイウェイ」では、頻繁にUFOが目撃されるのだそうで、小説や映画などでよくネタにされてまして、世界中のUFOマニアからは聖地のような場所になっているのだそうなのです。
ワタクシは都市伝説的なことにはあまり興味が湧かないのですが、この周辺はどうも一連の宇宙ネタを街おこしの材料的に使っているようなところがありまして、宇宙関連のお土産物などを扱うお店があちこちにあったりするのです。
国家機密ギリギリの、下手すりゃヤバいことになりかねないこのテの話を、エンタテインメントとして扱ってしまうアメリカさんのパワフルな姿勢がいいなと思えるので、あくまでそういうノリを楽しむつもりで、今回ここに行ってみようと思ったのでした。
例えば、93号線からETハイウェイの方に曲がる交差点に、もうイキナリあったのが「E.T Fresh Jerky」というお店。
わはは。ステキな看板ですね!
壁画もイカしてます!
エイリアンの肉のジャーキーなのか、と思ったのですが、看板に描かれているのは、UFOからの怪光線で牛が連れ去られてしまうという有名なシーンですので、ジャーキーはこの牛の、つまり普通にビーフジャーキーってことですよね・・・?
ジャーキーは買いませんでしたが、水のペットボトルを買いまして、店員さんの女の子に、
「看板と壁画がとてもステキでした!」
と言って出てきました。
いよいよETハイウェイが始まるところには、有名な標識がありました。
ETハイウェイの名前は、ネバダ州が公式につけたものなんだそうで、その辺もアメリカンジョーク魂を感じさせてくれますが、こんなにステッカーで埋め尽くされてるとは知りませんでした!
さあ、ETハイウェイを進んで行きますよ!
しばらく行きますと、エリア51へと続く未舗装の道路との交差点があるのですが、そこには「ブラック・メールボックス」というのがあるのだそうです。
あたりには1軒の民家もないあたりでして、こんなところに郵便物が届くはずもなく、これはエリア51へ行く時の目印として立っているのだという、これも噂レベルのオハナシ。
以前は本当に黒く塗られていたそうですが、現在は白い色になっているのだそうです。
UFOマニアの方々は、この地を訪れたら「ブラック・メールボックス」に宇宙人へのメッセージを投函するのがお約束になっているんですって。
ワタクシもここを楽しみにしていたんですが・・・
はい! なんと、メールボックスはなくなってました!
これは、残念!
世界からUFOマニアがやってくる場所なだけに、形だけでも残しておいてほしかった!
思いがけず、拍子抜けしてしまうことになりましたが、まだまだETハイウェイのお楽しみは、これだけじゃありません。
さあ、ガッカリしてないで、ドンドン行くぞ!
(ETハイウェイの標識がもう1個ありました)
<つづく>
相変わらず吉田さんはアクティブですね。
ボクも誘って欲しかったなぁ~
それにしてもエリア51とか、ロズウェルとかそういう話ボクは大好物です(笑)
おや、マーク♂さんは、こういう都市伝説的な話、イケるんですか!
それは、おつき合いいただいた方がワタクシもおもしろかったですかね。
・・・とは言うものの、今回はなぜか「最悪死ぬまである」とずっと思ってましたので、とても他の人をお誘いするなんてことはできませんでした!
ドライブは、ものすごく単調でしたしね。
いやぁ、ホントに何とか生きて帰って来れましたよ・・・。
この後も、まだまだ苦しいことが発生します!