でもこれは、単に記憶力の問題ではなく、会話のなかで出される言葉ですから、演劇の場合は言葉の出所を探して、それを創ることが重要になります。
私たちは、日常生活の中で仕入れた単語や今までの人生で出会った単語の中で、その場面場面で適切な台詞を選択して使っています。
もちろん大抵の場合はその作業は無意識下で行われています。
ですから稽古はその箇所を探りだす場なのです。その台詞がどうして出てきたのか、なぜその言葉なのか、そういったことを読み合わせの場で話し合い、実際に立ち稽古でやってみて俳優の身体におとしこんでいきます。
そうすると、本番ではまるでジェットコースターに乗っているかのように、その場その場で起こっていることに反応していけば、一気にシーンを駆け抜けて作品が終わる、ということになります。
俳優がその節目節目を見つけられる手伝いをするのもまた、演出の仕事の重要な部分なのかな、と思います。
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