演出そのものです。
まあ、一応そろそろ書いとくか、ぐらいの軽い気持ちです。
そもそもこの「演出家の眼」という連載は、これでトレーニングを積んで、最終的にはきちんとした演劇論を書こうと思ってはじめました。
まだまだ訓練の段階ですので、日々の気づきを書いていくと最初に宣言したとおりの内容です。
一応、ぜんぜん分からない人のために、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%94%E5%87%BA%E5%AE%B6
今週はこの御題を書こうと思っていたので、自分のダメ出しについて傾向を観察していました。
大きく分けると、次の三つの内容になります。
1.言葉のイメージをきちんと持っていってもらう。
僕は「人はその心の中にあるものの中から語る。」(BY BIBLE)と思っているので、その言葉からイメージが伝わらないときには指摘します。
「ひらめのムニエル」という台詞があったとして、それを知らないとその役の人物からはその台詞は出てこないと思うんですね。
お母さんに創ってもらったとか、友達からめっちゃ美味しいと聞いているとか。
だから、そういうものを持って言えるように、一緒に考えたり探ったり、知っているものについては説明したりします。
ちなみに「ムニエル」は、僕の小4のときに演じた「田舎のねずみ、町のねずみ」の町のねずみ役だったぼくの台詞です。
2.観客への情報の提出の仕方に気を使う。
たぶん演出の仕事を一言で、と問われたら「計算」と答えると思います。
今回の芝居はほとんどがモノローグで付き合っていたころの回想シーンです。
4場あって、これをモノローグ、回想、二人の回想が交じり合う、現在のモノローグ自体が交じり合う、みたいに見せていこうとしています。
演劇は観客の想像力を刺激することで、どこまでも飛んでいけるものなので、その想像力の広げ方に気を使います。
観客とこの芝居の見かたについてルールを取り決め、そのルールを微妙に破っていくことで、意外性を出し、どんでん換えしていくわけです。
その全体の設計図であったり、小技であったり、あるいは香りが記憶を想起させていくものだからアロマテラピーについて調べたり、回想と現在のモノローグを分けるために、少し年齢の差をキャラクターにはっきりと出したり、みたいな作戦を考えるのです。
3.演出家の作家性
どうも成立させることにこだわっていたし、いろいろな可能性を試したくて、作家性の部分、つまり好き嫌いはあまり言ってこなかったのですが、今回は言っています。
こういう俳優さんが見たい、とか、こういう風にすると可愛い、とか、俺ならこうするから、とかそういうのです。
そのほかに、今回の興味は発話なので、speak,tell,talk,wonder,think,phoneと発話の方法を便宜的に分け(と言っても全部モノローグなんで本当のそれぞれの動詞が指す発話とは異なる)、そのそれぞれを丁寧に分けて発していってもらうと言うような稽古をしています。
あと、恋愛論についても交わしていて、男女の間にあるふかーい意識のみぞについて、まるで飲み会の三次会で出てくるようなディープなネタについて話しています。
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