これ、実は緊張という意味です。
お笑い界ではどうも別の意味で用いられているようですが。
演出の話で言うと、これは一番冒頭の部分で気を遣います。
例えば僕は基本的に最初は音で始めるのが好きです。
真っ暗闇の中、足音が近づいてきて、とか。
以前取り上げたサマーウオーズというアニメーション映画でも、一番最初の始まりは闇の中で聞こえる音からで、とっても親近感を持ってみていました。
序盤というのは、観客を最もひきつけておかなくてはいけないので、細心の注意を払います。
会話のリズム、テンポも普段より少し速めにさせたりもします。
ここが緩むと、作品としてもぐだぐだになりますし、お客さんとしても興味を失ってしまいます。
全然演劇ではないですが、宮崎監督の「天空の城ラピュタ」なんかはものすごく巧いです。
活劇作品の見本みたいなもんです。
空から始まって、少女が落下するオープニングクレジットまでの数分間は出色です。
素晴らしい。
今もっとも気を遣っているのが、戯曲塾で書いている課題作品です。
とりあえずゼロにしてまた書き始めてみているのですが、難しい。
テンションを最初から保つということは、二、三回前の講義でも触れられていたので「ぜひに」と思うのですが・・・。
でもやっぱり、今までやってきたことをやるしかなくて、実はCDFの手法で書こうとしています。
助言どおり登場人物を8人まで絞り、場所を設定し、時もある程度厳密に考えました。
あとは、最初、の緊張、と、出はけ順です。
今までの経験とインスピレーションを信じるしかないです。
ちなみに最近最新刊が出てとっても買いたいんだけど、緊縮財政中で我慢している「ガラスの仮面」(尊敬する亜弓さんがどうなるのか・・・)では、
北島マヤが高校の体育館の倉庫でやった海賊のお芝居で、月影先生が言っていた「緊張と緩和」ということも気をつけています。
そういえば、このエピソードは以前書いたような気がする。
結局、緊張と緩和を自分で作り出せる役者は観客の注意を惹きつける、ということです。
たぶん、脚本でもそうなんだろうな。
しかし、演出と劇作、似ているようで違うもんです。
でも同じ演劇、同じ人間が創るものだし、がんばります。
最近の「演出家の眼」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事