さて、前もっていっておくがここに書いてあることはただの独り言である。決してどこか特定の市への提言というわけではない。
せっかくプレゼンの機会を得たので、前職である公立劇場のコーディネーターとしての言葉をまとめておきたかったのだ.
アーツマネジメントを志していた者として。
でも今はただの一芸術家であり、可能なら一つところにとどまらないノマドでありたいとさえおもっている。
文化芸術を絶やさず市民に届けるためには、絶やさないためには、当たり前だが作り手が必要だ。
まずは、どこでうまくいっていないのかを見極める必要がある。いわゆる“ボトルネック”である。
仮に今、私自身が演劇を続けているので、この街はある程度支援に成功している、と言える。
演劇をやる人材が次々と輩出されているのであれば、である。
そして今後の、来年以降の担い手が果たしているのか、ということもチェックしなければならない。
では、作り手が必要なものは何か。人材がいるとしたら、稽古場が一番必要だ。この事を行政の人は間違えがちだが、発表の場はそれはそれで必要である。しかしそれよりも必要なのは商品で言うところの原材料にあたる人自身とそれらが自由に動ける時空間である。そして結局それを可能にする助成金、ということになろうか。
あるいはさらに公立劇場で働いていた身からすれば、広報協力は本当にありがたい。演劇とは存在を知られていなさすぎるのである。
稽古場、小屋、広報協力、そしてなんだか直接的過ぎて言いづらいが、現金(助成金)は支援となる。
YOU-PROJECTが助成を受けたら、チラシやポスターに〇〇市助成と書いて宣伝しまくる。
個人的によく知っている劇団や演劇関係者にも知らせる。その中に市民やゆかりの人たちも大勢いる。
うちは満額もらえなくとも上演する。劇場費と広報協力だけでもそうする。高校生以下無料には必ずする。
一人芝居だから少なくとも稽古でコロナにかかる事はない。
そしてもっとも必要なのは、実は行政などの「応援しますよー」という暖かい視線が必要なのである。ああー、極端に言うと、言ってしまうとうち以外の劇団に助成してくれてもいい(会計が面倒だったりはするんだが本音で)。その応援の姿勢が見えれば作り手たちはこの街に留まって、作品を作り発表し続け、演劇はこの街にありつづけるだろう。
もちろん多分、大半の劇団は応援がなく、しんどくても上演し続ける。芸術家の役割はそれしかないからだ。文化芸術を絶やさず市民に届けたいから。「本市の特性に応じた文化芸術の振興に関する施策を実施」というのが行政の役割であり、その先に、文化芸術を全国へ発信できる「まち」がある。
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