ピーターブルックが書かれた「何もない空間」は、いつも作品づくりの根幹にあります。英語で “ empty space ” は、「無」の「空間」ということです。
何もない空間を誰かが横切り、それを誰かが見ていれば、演劇は成立する。
そう思っていますし、実際ワークショップでよくやるエチュードの「待つ」では、「成立しますよねー、意外と面白いでしょう」ということをお伝えし、観客側が「誰を待っているんだろう。どんな関係の人だろう」と想像を馳せてほしい、ということをお伝えします。
また、僕が作る舞台が基本、しっかり建て込む感じじゃなくて、置き道具、持ち道具という形でするのも、この「何もない空間」を大事にしているからです。
何もない方が、その上手の袖の先に何があるのか、下手の向こうに何が、大黒(後ろの幕)の向こうに何が?というのがおもしろいなあって思います。
夜空を見上げた時に、「地を無の上にかけておられる(聖書)」創造者のクリエイティビティにシビれます。いまだ、宇宙に出てはいませんが、宇宙空間から見た地球を見たい、というのはずーっと夢です。
あの夜空の黒い部分、きらめく星と星の間に何があるのだろう?と、いつも想像を馳せます。
Tomo Matsuura
最近の「演出の目」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事