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り:臨場感

またまた、遅れてしまいました。
でもその代わりに多分来週月曜日には、新作の情報を開示できると思います。

り:臨場感

これは、演劇の特性です。
演劇はその場限りであり、今の映画館の4Dというのともまた違って、会場の他の観客たちと場を分け合うものなので、その臨場感は映画・小説・マンガ・テレビに比して1番の売りです。
演出として気にするのは、1.観客がという意味と、2.俳優さんが、という意味の二つあると思います。

一つ目は、冒頭で述べたようにメリットとして、俳優さんたちが発する生のエネルギー、そして声が波として直接観客に響く、という意味で本当に素晴らしいものです。ただデメリットもあって、舞台上で殺されるとか、死ぬとか、その他生々しいものは逆に成立しにくいものです。むしろ起こったことを想像させるような処理の仕方になると思います。
また、観客同士でも、家で寝転んでテレビを見ているときは何をしても言ってもよく、授業なんかでよく注意するんですが、関西人は特にツッコミを声に出して入れたくなってしまいます。が、それをすると一緒に作っている、そして一緒に旅している時空間が壊れてしまいます。

2つ目の方は、小道具や衣装、そしてセットをできる限りリアルなものにして、無対象演技ではなく、本当の感情・感覚が出るように出来る限りする、ということです。
僕自身は、セリフは「向き・声(量と質)・動機」の三つが合わさったものだと考えており、その意味では演劇のセリフほど作り物でないセリフはないのではないか、と思っています。
デメリットとしては、屋外の芝居が劇場内でやる限りは絶対的に作り物になる、ということ、そしてその逆もしかり、ということです。とはいえそこが演劇のいいところ=想像力を最大限用いて俳優の身体を媒体にして観客に伝える、ところで、技術的に大いに燃えるところでもあります。
この点では、小説に比する想像力の用い方、僕の作品は観客の頭の中にそれぞれ別個に存在する、という由縁でもあります。


Tomo Matsuura
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