《以下引用》
「野党パキスタン人民党(PPP)を率いるブット元首相は13日、パキスタンのムシャラフ大統領に対し、大統領を辞任するよう呼び掛けた。また、ムシャラフ大統領の下で首相を務める意思はないと表明した」(11月13日『ロイター』)
テロリスト対策だ、として非常事態宣言を出し、軍服を着たままの大統領職は違法という方向に向かっていた最高裁判所判事を拘束、議会選挙も延期、政権批判メディアを封じ込めるという挙に出たムシャラフ大統領だが、アメリカなどの説得もあって、一休み風だ。
ブットさんも(アメリカからの後ろ盾もあって)ムシャラフ政権との連立も視野に入れた現実路線を取っては見たが、今月になって戒厳令や裁判官など法曹界の人々を拘束するなど、相当荒っぽいやり方を前にすれば、辞任を!ともいいたくなるだろう。
ムシャラフ政権自体は少数与党。政権を維持していくにはどこかと連立を組まなければならない。ムシャラフ政権6年の親米路線が国民の反発を高めている中で、果たして連立を組もうという政党が出てくるだろうか。それとも、軍服を脱ぐなど、文民大統領を演出するのだろうか。
パキスタンの混迷は「テロとの戦争」に大きな影響を及ぼす。それはイランやアフガニスタンといった周辺国だけではなく、アメリカのテロ政策にも関わる。ちょっと目が離せない国だ。
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