原題:Nobody to watch over me
公開:2009/01/24
製作国・年度:日本、2008年
上映時間:118分
鑑賞日:2009/01/24
監督:君塚良一
出演:佐藤浩市、志田未来、松田龍平、石田ゆり子、佐々木蔵之介、佐野史郎、津田寛治、木村佳乃、柳葉敏郎
殺人犯の妹となった少女と彼女を守る刑事の逃避行が始まる──。
STORY:平凡な4人家族の船村家で、ある日、一家の未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は容疑者家族の保護を命じられ、保護マニュアルに従って15歳の沙織(志田未来)をマスコミの目、そして世間の目から守るため、ホテル、アパート、マンションと逃避行を始める。(シネマトゥデイより)
毎日のようにテレビでは殺人事件のニュースを聞きますが、こちらの作品は容疑者の家族の保護や過剰なマスコミ報道やネット社会の怖さを描いたお話です。よく被害者側を描いたお話はありますが、加害者側を描いたお話はとても斬新に思いましたね。製作には亀山千広さん、監督・脚本には君塚良一さんてことで踊るシリーズのお二人ですね。
とても重い内容でしたが思ってた以上に見応えがありました。冒頭部分では天国から地獄に落とされていく家族が描かれていて、そこで流れるリベラの歌声が切ないです。これほどまでにも加害者の家族はマスコミからネット上から追い詰められていくのかと思うと何ともいえない気持ちです。
加害者の家族がメインですが、その家族を守る刑事とその家族、かつて息子を殺されてしまった被害者家族も描かれてます。手持ちカメラ風の映像はドキュメンタリー風でリアル感がありますね。
加害者の家族が自殺するケースがあるということで保護することになったそうですが、被害者を守れなかった警察がなぜ加害者の家族を守るのか・・・なかなか難しい問題ですね。過剰なマスコミ報道にも原因があると思うのですがね。でもプライバシーの問題と報道の自由ではどっちがいいとか悪いとか言えないですね。
昔はインターネットなんかなかったからテレビでしか情報を知ることがなかったのに、今はネットの普及で匿名でどんな非難も中傷もし放題です。あっという間に家族の名前やら写真やらが載せられてしまう。恐ろしい世の中ですね。マスコミよりネットのほうがこわかった・・
容疑者の妹を演じる志田未来ちゃんがセリフは少ないけれど、その少ないセリフからいきなり容疑者の妹としてどうしていいのかわからないぎこちない様子を見事に演じきってました。いきなりの家族崩壊、非難・中傷、裏切りなどなど15歳の少女には辛すぎる現実ですね。でも生きていかなくちゃいけない・・・希望のあるラストで良かった~。
一方、彼女を保護する刑事を演じた佐藤浩市さんもトラウマを抱えた刑事を熱演。自分の家族も崩壊しつつある中で、容疑者の妹を保護しなきゃならない、そしてトラウマとなった事件の被害者の家族とのエピソードなどなどいろいろと考えてしまう内容でした。
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