【SALVADOR】
2007/09/22公開
製作国:スペイン/イギリス
監督:マヌエル・ウエルガ
原作:フランセスク・エスクリバノ
出演:ダニエル・ブリュール、トリスタン・ウヨア、レオナルド・スバラグリア、ホエル・ホアン
もっと、生きたい。
STORY:1970年代初頭、フランコ政権末期のスペインで、自由解放運動のグループに所属する25歳のサルバドール(ダニエル・ブリュール)は、不慮の発砲により若い警部を死なせてしまう。彼は正当な裁判を受けられないまま死刑を宣告され、彼の家族や仲間、弁護士たちは何とか処刑を防ごうと手を尽くすが……。
実話ものということで観てみました。
1970年代ということであまり遠くない時代ですね。近代の歴史はあまりわからないので、映画を通して歴史を知ることが多々あります。
スペインのフランコ独裁政権時代に起こった不当な裁判によって死刑判決を受けたアナーキストであるサルバドールとその家族、友人たちのなんとか処刑をやめさせようと戦うお話です。
暗く救いのないラストがわかってるのに、どこか救いを求めてしまうんですよねぇ。大きな展開はありませんが静かに感動できる作品でした。
不慮の事故で警部を死なせてしまったために、正しい裁判が受けられなかったのは怒りを感じます。サルバドール自身も撃たれて重傷を負ったのにな・・・。今だったら正当な裁判が受けられたかもしれませんね。
前半は、サルバドールが弁護士との間で仲間たちとの活動を語りますが、その時に流れている音楽がカッコいい。好み。
後半は、裁判によって死刑判決を受け、家族や弁護士たちと最期の朝を迎えるまでの重く切ない時間が描かれています。またこの時に流れる音楽が、前半のロック調の曲とはガラッと変わって静かで切なく美しいメロディが美しいです。
淡々とした流れの中で死刑判決から執行されるまでサルバドールという人物をじっくり描かれてましたね。
不当な裁判を受けたのに、死刑判決を受けたのに常に冷静で、警察に対しても政府に対しても取り乱すこともなく文句のひとつも言わないのにも驚きました。そして家族思いで、特に一番下の妹や父親の心配をする優しい青年でもあります。自分のことを心配しろよ~と思ってしまう。
処刑間近の家族との時間が切ないです。
いつも近くにいた看守のヘススとだんだんうち解けていくところが良かったな。違った場所で出会ってたらきっといい友人になれたでしょうね。ラストの感情的になるシーンはちょっとウルッときました。
当時の処刑方法がとても残酷で驚きました。しかも執行人のじいさんがさっさと仕事を済ませてしまおうという投げやりな態度にも驚きましたケド。
このサルバドールを演じたダニエル・ブリュールがとてもすばらしい演技でした。ちょっと好みだったなぁ(笑)
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