【BREATHLESS】 2010/03/20公開 韓国 R15+ 130分
監督:ヤン・イクチュン
出演:ヤン・イクチュン、キム・コッピ、イ・ファン、チョン・マンシク、ユン・スンフン、キム・ヒス、パク・チョンスン、チェ・ヨンミン
二人でいる時だけ、泣けた。
母と妹の死の原因を作った父親に対して強い憎しみを持っている借金取りのサンフン(ヤン・イクチュン)は、ある日、女子高生のヨニ(キム・コッピ)と知り合う。サンフンは、強権的な父親や暴力的な弟との関係に悩むヨニに惹(ひ)かれ、それぞれの境遇から逃避するかのように何度も一緒に過ごすうちに、互いの心に変化が訪れる。(Yahoo映画より)
殴る蹴るで凶暴な借金取りのサンフンが勝気な女子高校生ヨニと出会い、お互い過去のトラウマから解放されていく姿を描いたお話。
韓国インディー映画界で活躍してきたヤン・イクチュン、監督・製作・脚本・編集、そして出演まで5役もこなしてるのは凄いですね。しかもこの作品は初監督なんだそう。
冒頭から暴力シーン、、、。とにかくヒジョーに暴力シーンが多くて普通ならアウトなのに、新しめなものはないけれどどこか切なさ漂う感じで作品に力がありました。
サンフンもヨニも絶対的な父親の存在から逃れられないという似たようなトラウマを抱えてます。この二人は運命的な出会いなんですね。二人の似たような境遇からの交流によって、だんだん心情が変化していく姿が丁寧に描かれているのが良かったですね。
でも最初の出会いのトコで女子をなぐっちゃうのはよくないね。だけど彼女が目を覚ますまでソコに居たのはちょっとやさしいかも~と変な矛盾。もしかして本当はイイ人なんかなと思ったシーンでした。
サンフンから発せられる“くそ”という言葉はいったい何回出てきたんだろ。しゃべるたびに必ず出てくる。借金の取り立てに行けば必ず暴力、蹴る蹴る蹴る。弟分にも見境無く拳が飛ぶ飛ぶ。だけど甥っ子にプレゼントをあげたりしてやさしさもある。どこか憎めない一面があって嫌いにはなれませんでしたわ。ラストはほんと切ない...。
本当は殴るのは嫌で嫌でしかたないのに、日常的にそんな姿を見て育つと、ある意味麻痺してきてしまうのでしょうね。
内に秘めた怒りを暴力と言う形でしか発散できなかったとはいえ、暴力シーンは辛いものがありましたわ。
本当はやさしいサンフンが、自らの優しさを思い出したラストはある意味切ないけどハッピーエンドなのでしょう。
本当はやさしい人だから余計に辛かった。
確かにある意味ではハッピーエンドなのかもしれませんね。