☆yukarinの映画鑑賞日記α☆

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深紅

2006年05月02日 | ★★★+

深紅
公開:2005/09/17
監督:月野木隆
原作:野沢尚『深紅』(講談社刊)
出演:内山理名、水川あさみ、小日向文世、緒形直人

修学旅行中の小学生・秋葉奏子は、家族が事故に遭ったという知らせを聞き、タクシーで4時間かけて病院に駆けつけた。そして、両親と2人の弟が都築則夫という男に惨殺されたことを知らされる。以来、奏子は家族の死体と対面するまでの出来事をリアルタイムに追体験する“空白の4時間”の発作に襲われるようになってしまう。8年後、大学生になった奏子は、都築に死刑判決が下りることを知る。そして、都築の娘・未歩に興味を抱いた奏子は、素性を隠したまま未歩に近づいていくのだった…。



意外に先が見えなくてドキドキしながら一気観しました。
かなり重いお話ではあるんですがあまり感じさせないし、だらだらとした部分もなくてうまくまとまってたんじゃないでしょうか。
原作者が脚本を書いたこともあるのかな?
面白かった…という言葉はあまりよくないかもしれませんけど、すごく良かった!!

被害者側と加害者側のそれぞれ残された家族の思いや辛さが描かれています。
結局どちらも同じような哀しみや痛みを背負って生きていかなきゃいけないんですよね。
私と彼女は何が違うのか会ってみたい…
素性を隠して加害者の娘・未歩に近づいていく。
果たして会って良かったのかどうか?

両親と二人の弟たちを殺されてしまった奏子が、亡くなった家族に謝るところはとても悲しい。
たまたま修学旅行で生き残った彼女だけど、生き残ってしまったことが家族に申し訳ないと思っている。

みんなゴメンね。私だけ生きてて…

私たちは助かって良かったねと思っているけど、本人にとっては助かってしまって申し訳ないと思う気持ちが強いのかもしれない。

“旅行先からタクシーで家族の遺体と対面するまでの4時間”がトラウマとなってたびたび発作に苦しんでしまう。
これから1人で生きて行かなきゃいけないし、トラウマとも戦っていかなきゃいけない。
被害にあった家族も悲しいことだけど、生き残ってしまった奏子の方がつらいのかも…

でもでも被害者だけが辛いのかと思うとそうでもない。
加害者の娘の未歩も同じく苦しんでいたりする。
夫に暴力を受けながらも、被害者の家族に比べたらこんなことなんて・・・と未歩も苦しんでいたりする。
親の罪は子にも引き継がれるものと思ってたりするし。
死刑囚の娘とわかると友人たちも離れていってしまう・・・
罪を犯した者よりもその家族の方が辛いのかも。

罪を犯した事は悪いことだけど、加害者がすべて悪いとは限らない。
被害者側も殺されても仕方がない状況を作ってしまったから。
後半に、夫の暴力に耐えられなくなった未歩がとった行動とその父親が犯行を実行するシーンが同時進行していくんですが、どちらもやむを得ない状況だったりする。
とても犯罪を犯すような人じゃないのに、ゆっくりと犯罪者に変わっていく姿は人間の怖さを感じます。
ちょっとした裏切りやキッカケで人間は変わってしまう。
どん底に突き落とされて我慢の限界を超えてますからねぇ。これは同情しますよ~っ

加害者役の緒形直人がすごくうまいと思いましたよ。
この人あまり好きじゃないんですけどね、精神的に追いつめられてきて壊れていく姿が怖かった。
映像もモノクロとカラーとをうまく利用していて、深紅に染まる床が印象に残ります。

ラストは、こういうお話の割にすっきりした終わり方になってて良かったです。
お互い出会うことで、前向きに生きることできるようになったんじゃないかなと思います。
二人が携帯のメモリを消すところでホッとしました。

*映画鑑賞★日記・・・より転載


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