父がデンマークに訪ねて来てくれた時、スウェーデンのマルメにも足を伸ばした。
市庁舎や教会などがある広場の石畳の上で、父は何やら立ち止まって往来を見ている。どうしたの?と聞くと
「いや、ユカリはいつもここを通って学校に行ったりしているんだな、と思って」
ほろり。
これが恋人なら惚れ直すところだ。
が、目の前にいるのはお腹の出た父なのだった。
こういった類の優しさや思いやりはどんな男性にも求められるわけではなく、
お父さんだから、というのを知った年頃でもある。
マルメ城を見ながら父とコペンハーゲンで日本食屋さんをやっている友人のお父さんが持たせてくれたお弁当を2人でマルメ城を眺めながら食べた。
(「有暮れのアリア」(たる出版)より)
先日、スウェーデンのマルメから「届きました」と本の写真を送って来てくれた友人が
マルメの写真と感想とお礼、と称した手紙をくれました。
写真には父が立ち止まった広場やお城などがあって、きちんと読んでくれたのだなあ、と
ありがたく、また彼女との思い出にクスッと、そして温かい気持ちに。
ケーキは2月のの父の誕生日の時のもの。83歳。
あちこち弱ってきていても頭はしっかりしているし、つつがなく、
迎えられた事が何より幸せ。
しかし拙著「有暮れのアリア」(たる出版)は
はからずも両親に共感、どういうことか、父がなんとなくキラーコンテンツ
になっているところもあるようです・・・
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