病棟に辿り着くと、肩を落とした母がぽつんと待合室に座っていました。
こんなに母は小かっただろうか?
「父危篤」という超イレギュラー事態なのに、第一に思い浮かべたのはそんなこと。
若い頃は結構な切れキャラ且つ教育ママで、しょっちゅう私と喧嘩していたような人だったのに、視線を落として所在なげに座る様は別人のようで戸惑ってしまいました。
私達に気付くと、「来てくれて良かった〜。意識が戻ったよ」
泣きながら話す母に、何もうまい言葉が見つからず、「大丈夫!大丈夫だよ」と繰り返すことしかできません。
意識が戻ったなら、面会ができるかどうか、峠は越えたのかどうか、病状から今後はどうしていくのが良いか、色々と医師に確認しようと思い立ち上がると、看護士さんに声を掛けられました。
「娘さんですか?お話したい事があるので、こちらへどうぞ」
小さな談話室に案内されました。
恐れ入りますがお一人で・・との事。
これは、父の病状を話すのではないなと予想しました。
ではなんだろう??
優しそうな看護師さんが、訝しむ私に告げたのは、
「お父様の病状に関しては、後ほど医師から詳しくお伝えします。先にお話したいのは、お母様は認知症ではないでしょうか」
わーー!キャパオーバーしそう!
父危篤に加えて、母認知症。
元々ここ2年ほど忘れっぽくなったなーとは感じていましたが、専門家が見てそう思うんだ!
コロナ禍で、お見舞いは1人ずつ・1日に2人まで・10分間まで・病棟の待合室には長く滞在できないという決まりだそうですが、母は何度説明されても理解できず、会話が噛み合わないとのこと。
「こんな時に大変ですが、一度認知症外来に連れてきてあげてください」
ちょっと待って待って。
頭を整理する時間をください!
そんなこんなで続く。
この半年、色々な頂き物で心が和みました。
こちらはN社様から、オーベルヴュータンのクッキー♪
さすが河田シェフ!美味しゅうございました。