8月16日(木曜日)
今夜は京都の夏の風物詩「五山の送り火」が有ります。室町時代から続く伝統行事で、午後8時
から順次点火されます。この送り火の煙に乗って、お盆に迎えた御精霊は、天国へお帰りになります。その様子は、7時から終わるまでテレビ中継が有ります。
独身時代は大阪府に住んでいたので、「五山の送り火」のことを「大文字焼き」と言っていました。京都市内で、「大文字焼き」と言えば、京都市民からは軽蔑の目で見られます。と言うことで、ご注意を。
今夜は「五山の送り火」を見ようと、きっと5万人以上の方が鴨川沿いに集まったことでしょう。昔は電車に乗って、京都まで出掛けていました。テレビ中継をやり始めてからは、もっぱら家でビールを飲みながら楽しんでいます。
午後7時55分から、今年災害が起きた北部地震、西日本豪雨の犠牲者に対し1分間の黙とう。
午後8時になると、如意ケ嶽の「大文字」に点火(火床:75)
8時05分松ケ崎西山、東山の「妙法」に点火(妙の火床:103 法の火床:63)
8時15分大北山の「左大文字」に点火 (火床:53)
8時10分船山の「船形」に点火 (火床:79)
8時20分曼荼羅山の「鳥居形」に点火 火床:108
五山の送り火は、いずれの山も保存会の皆さんが伝統を守っています。マキを割るのも、火床にマキを運ぶのも重労働。火床が一番少ないのは「左大文字」の53。多いものは2倍の火床が有ります。
天候に恵まれた今年の「五山の送り火」。どれもクッキリ、ハッキリと見ることが出来ました。 ”おしょらいさん”は、無事煙に乗って天国へお帰りになりました。
【おしょらいさん】
死者の霊魂、精霊(しょうりょう・せいれい)。江戸時代からショウライとも。「オショライサン
をお迎えせんならんし、お仏壇をきれいにしといてや」 オショウライは尊敬語。オハグロトン
ボ(黒トンボ)をオショライトンボと。「お盆やし、オショライトンボ捕ったらあかんえ」 盆に
虫を殺してはいけないと言い伝える。先祖の霊が虫に宿るとの考えだ。中京の旧家では盆の三日
間、精進料理を食べた。(『京都新聞・折々の京ことば』堀井令以知より)