12月20日(月曜日)
冬が近づくと背中が痒くなる。毎日プールで泳いでいるが、ここでの楽しみは壁に背を当て、間寛平ギャグよろしく ”かい~の” と言いながらゴシゴシと背中を擦ることだ。寛平ちゃんの場合はお尻をすりすりで、私の場合はそのちょいと上。
「ゆみちゃん何してるの?」といわれない様、首まで水中につかり擦っている。やり始めればどうにも止まらなくなる。メチャクチャ気持ちが良い。こうなったら少々背中に傷が付こうが止めるわけにはいかない。
夜になれば愛妻に、「薬を塗って!」と背中を出す。「もっときつく(強く押して)塗って!」と言えば「段々ひどくなってきているよ。皮膚科に行って診てもらって!!」。
こんな会話を1週間以上続けている。昨年も一体どんな状態かデジカメで背中を撮ってもらったが、それは傷だらけの痛々しい背中になっていた。今年はまだそこまで悪化していないと自覚している。相変わらず毎日かゆみは収まらない。人様が私の背中を見て、嫌悪感を覚えるようではプールへ行けなくなる。今日こそは診てもらおうと、近くの皮膚科へ行った。まだ診察時間の9時半になっていないが、待合室は受診待ちの方であふれている。
待つこと2時間。名前を呼ばれ診察室の中へ入り、ジャンパーを脱いだ。そこへうら若き女性が入ってきた。女性はキョトンとしている。何と同姓の女性で、順番は彼女が先だった。「ゴメンゴメン」と言うしかない。
やがて私の順番が来た。診察を受けた後、注意事項を聞く。背中はタオルで擦らないこと。プールで泳ぐ前と上った後に、背中にこのスプレーをかけること。痒い所にこの塗り薬を塗ること。夕食後この飲み薬を飲むこと。
早速プールへ入る前と上った後に、背中へしゅ~っと薬をスプレーした。あ~っ気持ちが良い。塗り薬を、痒い背中に塗るのは男性では到底無理。女性であれば、一人でブラを外せるくらい体が柔らかいので、可能かもしれない。
独身男性で、体が硬い人はどうすりゃいいの?塗るのは至難の技。もし独身であれば、「どうやって患部に塗るのですか?」聞いたことだろう。
塗る人がそばにいると言うことは幸せかも。
早いもので爺さんが心筋梗塞、肺炎で倒れて100日、入院して50日が過ぎた。これまで、もうだめかと言う危機が3度あった。「9月いっぱい持てばいいのだが」。「10月いっぱい持てばいいのだが」。「いくら何でも11月いっぱいは無理かも」。
その度に親類には、「そのつもりをしていて欲しい」の連絡を入れていた。医者を含め誰しもここまで生きるとは想像も出来なかった。私は親類の間では「狼少年」と言われているかも知れない。従って年賀状は購入していなかった。いよいよクリスマスウイークに突入だ。「年賀状は25日までに投函して!」としきりにコマーシャルが流れる。
そろそろ決断をしなければいけない時期になった。
喪中欠礼の挨拶は、12月中旬までに届くように手配するのが礼儀。たとえ年内に亡くなっても、喪中欠礼の挨拶を出すのは到底無理。今年は不義理もやむなしと思っていたが、年賀状を出すことに決めた。
爺さんの容態は、相変わらず1滴の水も飲めない状態が続いている。命をつないでいるのは、一日700カロリーほどの点滴だ。
肺炎の時は痰の吸引が一番苦痛だったが、今は吸引しなくても口腔ケアで済んでいる。今一番苦痛なのは点滴の針を血管に刺すときだ。高齢者の血管はボロボロで、若い看護師はベテラン看護師に助けを求めている。その血管もいよいよ刺す所が無くなってきたそうだ。病院側もこれで悩んでいる。
嬉しい誤算は長く続いて欲しいが、生きるのも付き添いするのもどっちも楽ではない。親類のオバ、愛妻の友人Iさんには多大なるお世話になっている。感謝してもしきれない。
「寺田屋」の直近くに、 ”カッパッパ♪カッパッパ♪き~ざくら~” のCMソングでお馴染みのお酒の「黄桜」があった。中から観光客の方が出て来たので、覗いて見ることにした。
何度も伏見には行ったが酒蔵の探訪はしたことがない。入り口のオバサンに無料を確認して中に入った。
キザクラカッパカントリーの中には、
酒造りの道具類の展示や
カッパのプロフィール、
昔のTVCMの展示など見るものは多々ある。相変わらずカッパのお姉さん色気があるね。
京名産品、黄桜のお酒をお土産に買うのであれば「黄桜商店」がある。”酒を飲みたい””地ビールを飲みたい”食事をしたい”方にはレストランがある。車で来ていなければ真っ先に飲んでいたことだろう。伏見のお酒に舌鼓が出来なく残念!無念!。
行き当たりばったりの探訪では仕方がない。お金を使わないで遊べる所はナンボでもある。どなた様も遊んでちょうだい!
長建寺には参拝客が利用できるトイレが無い。トイレはどこかないかと探すと、土手沿いに北へ250メートル公衆便所→が出ていた。
用を足し、ふと上を見れば寺田屋30メートルの看板が出ていた。
寺田屋には10数年?いや20年以上前に、坂本龍馬が襲われその時の刀傷が柱に残っていると言われ、一度見に行った。
ケンケンしながら短い橋を渡り、左に曲がると「寺田屋」の文字が目に入ってきた。
久しぶりに再度見学しようと思ったが、参観料400円の文字を見たとたん入る気が失せた。
斬られた柱の傷跡を見るには高過ぎる。海老蔵の殴られた跡であれば見たかも知れない。外から寺田屋を眺めた。
昔は表札は無かったと記憶しているが、今では「坂本龍馬」の表札がかかっていた。
受付時間:午前10時~午後3時40分とは、随分と早い店じまいだ。しかも午後3時40分なんて、中途半端もいいところだ。
龍馬ブームで、今年はさぞかし多くの方が訪れたことだろう。5時頃まで営業し、稼げる時に稼げばいいのにもったいない話だ。
【参 考】
・参観料:400円
・受付時間:午前10時~午後3時40分
12月17日(金曜日)
紅葉が真っ盛りの頃、”幕末色模葉”として「中書島の弁天さん」と呼ばれる長建寺が新聞に載っていた。異国情緒漂う朱色の竜宮門が特徴的だ。一度訪れてみようと思っていたところ、愛妻の針治療が午前中に終わったので良い機会だ。
伏見港公園の有料駐車場へ車を置き、「長建寺はドコドコ」。三十石舟乗船所の目の前と言う事は覚えていたので、通りすがりの人に尋ねながら行った。
500メートルほど歩いただろうか、新聞で見た山門が現れた。
中国風の竜宮門だった。
寺の前は東壕川(ひがしほりかわ)が流れ、三十石舟乗船所がある。
山門をくぐると真っ先に目に入ったのは、このたて看板。
「お寺は心を癒しにくる所、花を見にくる所ではありません。まずは本堂へ参詣から」ギクッ。
参道の左手には風変わりな梵鐘がある。
本堂へ行くと、これまた立て看板があり、参拝時の注意事項が書かれている。まずは手を清める。少しバックすれば手を清める、閼迦水(あかすい)と呼ばれる綺麗な水が流れていた。
手を清めました。次は本堂の前で合掌する。
合掌しました。お賽銭を入れる。入れました。鈴を鳴らし願い事を・・・。
まあ事細かに指示が書かれていて、自然の成り行きで賽銭を入れなくてはならなくなっていた。普段寺院に参拝しても、めったには賽銭を入れることはない。それこそ盆と正月くらいなものだ。ご利益があることを期待してもいいかな。
寺を出た後、三十石舟乗船所に下りてみた。
船の名前が”龍馬”とは、さすが商魂たくましい。柳の木があり、川が流れ酒蔵の並ぶ風景は美しい。この酒蔵は月桂冠酒造の酒蔵だ。
一見の価値は十分ある。
ここから250メートル歩けば、かの有名な「寺田屋」がある。
【参 考】
・真言宗醍醐派 東光山 辨財天長建寺
・住所:京都市伏見区東柳町511
・拝観:境内自由 午前9時~午後4時