捜査当局の執拗な追跡から逃げ続けていた最後の特別手配犯がついに逮捕された。オウム真理教元信者、高橋克也容疑者(54)は、長年潜伏していた川崎市に隣接する東京都大田区西蒲田で身柄を確保、逮捕された。
防犯カメラの映像、筆跡など警視庁が次々と情報を公開し一般市民に協力を求め、衆人環視となる中、10日余りも逃走を続けた末の“終幕”だった。
昨年の大みそかに出頭した教団元幹部、平田信(まこと)被告(47)=逮捕監禁罪などで起訴=や、今月3日に情報提供で相模原市内で発見された元幹部、菊地直子容疑者(40)と異なり追跡の目はあらゆる所に潜んでいた。
金融機関などに設置された防犯カメラが潜伏先から逃走する途中の高橋容疑者を撮影。公開された画像を見た市民の目が高橋容疑者を追いつめた。15日の逮捕も漫画喫茶の従業員の通報がきっかけだった。
「高橋容疑者に似ている男がいる」。午前8時15分ごろの通報を受け、警視庁の捜査員は午前9時10分ごろに現着。その約10分後に会計を済ませて店から出てきた高橋容疑者に「高橋か」と問うと、「はい」と素直に認めた。抵抗したり、暴れたりすることはなかった。